ソフトB柳田 仰天!天井隙間マルチ二塁打「ラッキー」

[ 2016年8月21日 09:15 ]

<日・ソ>5回1死 柳田はこの日二度目の認定二塁打

パ・リーグ ソフトバンク3―2日本ハム

(8月20日 札幌D)
 驚がくの天井マルチ二塁打だ!ソフトバンクの柳田悠岐外野手(27)が20日、日本ハムとの首位攻防第2戦で初回に札幌ドームの天井を直撃する二塁打を放った。5回にも再び天井直撃の二塁打。8回には逆転の口火を切る左前打で3安打をマークし、勝利に貢献した。チームは2位・日本ハムに2連勝。1・5ゲーム差に引き離し、優勝マジックは、21日の第3戦に勝てば「29」、引き分けでも「30」が初点灯する。

 天文学的な確率だろう。初回。柳田は高梨の148キロ直球をフルスイングすると、打球は札幌ドームの二塁後方へ高く舞い上がり、天井板の隙間に入った。数秒後、別の隙間から落下したボールを二塁手の田中賢が捕球。直径約7・4センチのボールは、高さ68メートルにある「吸音板」という8センチの空間を通り抜けたのだ。

 「(隙間に)入れば二塁打、(天井に)当たって戻ればアウト。ラッキー。それしかないっしょ!」。打球が天井にはね返って捕球されればアウトになるが、いったん天井板の隙間に入ってから落ちてきたため、札幌ドームの特別ルールにより二塁打となった。

 奇跡は一度では終わらない。5回にも遊撃後方へ高く舞い上がった打球が再び天井板の隙間を抜ける。三塁手のレアードが捕球したが、再び二塁打に。この天井板は固定されておらず、打球が当たれば動いて抜けやすくなるとはいえ、場内説明した有隅二塁塁審も「(2度は)ビックリしました」と驚きを隠せない。

 驚がくの「天井マルチ二塁打」。ただ、本人の意識は別にあった。1点を追う3回1死三塁。3ボールと優位に立ちながら1球も振らずに見逃し三振に倒れた。「チャンスをつぶし、死にたかった」と言う。8回先頭で左前打を放ち、7月1日の日本ハム戦(ヤフオクドーム)以来6度目の猛打賞。長谷川の逆転2点二塁打につなげた。

 「なかなか(天井の隙間には)入らないよね。何か持ってる。(逆転も)あそこ(柳田)から始まった」。工藤監督はそう振り返り、上機嫌だった。マジック点灯に王手をかけて迎えた6日の日本ハム戦から1勝9敗と急失速したが、優勝を争う宿敵に2連勝。1・5ゲーム差をつけ、21日の第3戦で引き分け以上でマジックが点灯する。今度こそ逃さない。

 「マジ良かった。僕のせいで負ける試合だった」。2本の「快挙」を忘れた柳田はただ、勝利の余韻に浸っていた。 (福浦 健太郎)

 ▼ソフトバンク・長谷川(8回無死一、三塁から左中間を破る逆転2点二塁打)(対戦した宮西は)ボールの軌道もイメージできていたし、素直に打ち返すことができました。

 ▽札幌ドーム球場特別ルール項目(3) 打球がフェア地域上の天井板の隙間、またはスピーカーにはさまった場合はボールデッドとし、打者および走者には投球当時を基準にして2個の安全進塁権が与えられる。

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