作新・今井 自己最速152キロ ビッグ3花咲徳栄・高橋昂に投げ勝った

[ 2016年8月18日 05:30 ]

<作新学院・花咲徳栄>花咲徳栄・高橋昴(奥)がブルペンから見つめる中、力投する作新学院・今井

第98回全国高校野球選手権第11日・3回戦 作新学院6―2花咲徳栄

(8月17日 甲子園)
 3回戦4試合が行われ、8強が出そろった。作新学院(栃木)は今井達也投手(3年)が最速152キロを計測するなど、2試合連続の2桁となる10奪三振。高橋昂也投手(3年)を救援待機させた花咲徳栄(埼玉)を破った。高橋昂に横浜(神奈川)の藤平尚真(3年)、履正社(大阪)の寺島成輝(3年)を合わせた好投手「ビッグ3」は全員が姿を消した。木更津総合(千葉)、聖光学院(福島)、北海(南北海道)も18日の準々決勝に進んだ。

 「152キロ」。その表示で4万3000人の観衆をどよめかせた。捕手のミットに刺さった今井の1球。初回1死で高橋哉に対し、カウント1ボール2ストライクから投じた外角球だった。

 「できれば低めに行きたかったですけど。もう少しあれがストライクゾーンぎりぎりに決まればよかった」。コースは外れても、インパクトは十分。初戦の2回戦・尽誠学園戦で記録した自己最速をさらに1キロ更新し、創志学園・高田の今大会最速記録に並んだ。次の球で2者連続三振。快投の幕が上がった。

 2失点で完投し、奪三振は10。13奪三振の初戦に続いて2桁に達した。夏の2戦連続2桁奪三振は、伝統校・作新学院をして初めて。73年の江川卓(元巨人)ですら初戦の延長15回23奪三振に続く2戦目は9個にとどまった。「怪物」超えに「狙ったところで三振が取れた」と胸を張った。

 152キロを出しながらも、初戦のように直球主体で押すスタイルにこだわらなかった。3回以降、昨秋から使い始めたカットボールを多投した。「(相手が)初戦のビデオを見て、少しストレートに(狙いを)張ってくるかなと思った」。予想通り、直球狙いだった相手打者はワンバウンドでもカットボールを空振り。初戦(15球)の2倍以上となる37球のカットボールを投じ、的を絞らせなかった。打っても2回の先制右前打を含む2安打2打点。「振ったら当たった」と笑った。

 好投手対決と期待された一戦。相手の高橋昂が4回から登場しても、主演は譲らなかった。「凄く楽しみながら投げ合えた。相手に勝ったというよりは、自分自身に勝ったと思う」。4年ぶりの8強入り。ビッグ3の去った甲子園を、勝ち残ったプロ注目右腕が沸かせ続ける。 (原田 真奈子)

 ▼作新学院・入江(2回、リードを5点に広げる2試合連続の左越え2ラン)3点差なら接戦になる。突き放したかった。

 ≪夏は同校で初≫作新学院・今井が2試合連続の2桁奪三振。14年の沖縄尚学・山城以来2年ぶり。作新学院では73年春に4試合連続で記録した江川以来で、夏は同校初めて。

 ≪「東高西低」8強出そろう≫ベスト8が出そろった。地域別で最も多いのは昨年4校が残った関東勢で、常総学院、作新学院、木更津総合の3校が進出。一方、近畿勢は史上初めて2年続けて1校も進めず、東高西低が続く結果となった。

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