履正社・寺島 ドラ1対決制す! 「藤平は今までで一番」

[ 2016年8月15日 05:30 ]

<履正社・横浜>雷雨で2度の中断も集中力を切らさず力投した履正社・寺島

第98回全国高校野球選手権大会2回戦 履正社5―1横浜

(8月14日 甲子園)
 試合後、履正社のエース寺島は、歩み寄ってきた横浜のエース藤平に言葉を掛けられた。

 「優勝してくれよ」。ライバルの切なる願い。寺島は大きくうなずいた。今秋ドラフト1位候補対決を制し「藤平は今まで対戦した投手で一番でした。勝ててうれしい」と笑顔で振り返った。

 藤平とは昨秋から親交があり、これまで注目されながらお互いに一度も甲子園出場がないという共通点もあった。そして初の大舞台で投げ合った。全国屈指の強打を誇る横浜打線。「1回から9回まで気が抜けなかった」という。配球を任せる捕手の井町が「裏をかいた」という通り、これまで直球で押してきた投球スタイルを逆手に取り、スライダー、カットボールを主体に組み立てた。

 「変化球を見せることで真っすぐも生きた」。三振は4個。27アウト中、2併殺を含む15アウトを内野ゴロで奪った。最速は球場表示で146キロ、巨人のスピードガンで149キロを計測した。6安打で1失点完投。雷雨による2度の中断も集中力を切らさず148球を投げ抜き「全国トップクラスの打線を抑えて、ステップアップできた」と頬を緩めた。

 夏は3度目出場の履正社が1大会で2勝するのは初めて。岡田龍生監督は「履正社野球の歴史に新たな1ページ。気持ちのこもった投球をしてくれた」と寺島を褒めちぎった。優勝候補同士の一戦で、勝利の立役者となったエース左腕は「優勝に一歩近づいたと思う」と初の全国制覇に向けて自信を深めた。

 ▼巨人山下哲治スカウト部長 2人とも素晴らしい投手であることは間違いない。プロ相手にしても完投できる能力がある。

 ▼ロッテ林信平球団本部長 甲乙つけがたい2人。どちらにするか選択を悩むかもしれない。

 ▼履正社・山本(8番打者で1点を追う2回に左翼席へ逆転3ラン) 過去最高のホームラン。今までにない手応えで、よく飛んでくれた。

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2016年8月15日のニュース