大谷 汚名返上の逆転V2ラン! 首位ソフトBに2差

[ 2016年8月15日 05:30 ]

<楽・日>6回1死三塁、右中間へ逆転2ランを放ち、ナインに迎えられる大谷

パ・リーグ 日本ハム2―1楽天

(8月14日 コボスタ)
 一振りで決めた!日本ハム・大谷翔平投手(22)は14日、楽天戦で0―1の6回に逆転17号2ラン。前日に17打席ぶりの安打で息を吹き返し、7試合、33打席ぶりの一発でチームを2連勝に導いた。首位・ソフトバンクがサヨナラ負けしたため、最大11・5あったゲーム差はついに2に縮まった。指のマメの影響で投手としての復帰のメドは立っていないが、大谷はバットでもチームに勝利をもたらすことができる。

 目いっぱい手を伸ばす。大谷のバットに最大限の力が伝わった。1点を追う6回1死三塁。左腕・辛島が投じた外角のスライダーを捉えた打球は、弾丸ライナーで右中間スタンドに着弾した。7試合、33打席ぶりの17号逆転2ランに「“入ってくれ”と思って走っていた」と汗を拭った。

 前半戦最後の登板で右手中指のマメをつぶした影響でマウンドに立てないため、18試合連続で打者出場。負けられない試合が続く中、調子を落としていた。前日の第4打席に17打席ぶりの安打を放つまでは、5打数連続三振(1四球を挟む)を喫していた。この試合も初回、3回ともに得点圏で凡退していたが「チャンスで回してくれたことに感謝したい」と一振りで試合を決めた。

 前日の試合前、栗山監督は不思議な縁を感じた。仙台市内の「八木山動物公園」を訪問。目的は鷹(ソフトバンク)と鷲(楽天)に合うためだ。王者とその日の敵を目に焼き付けたその時、偶然にベーブ・ルースの銅像を見つけた。同公園は、1934年に日米野球が開催された八木山球場の跡地で、ルースは来日初本塁打を記録した球場だった。「あんなところに銅像が立っているなんて知らなかった」と指揮官。仙台の地で遭遇した野球の神様と言われる二刀流の元祖に、改めて大谷の姿をだぶらせた。

 大谷は試合前にブルペン入りし、捕手を座らせて投球練習を行った。当初は中継ぎ登板を挟み、21日のソフトバンク戦(札幌ドーム)での先発復帰を目指していたが、吉井投手コーチは「準備はまだできていない。常識的には難しい」と否定的な見解を示し、5週連続で先発回避が濃厚となった。本来はマウンドに上がる日曜日。投げられない分はバットで返した。

 首位・ソフトバンクは敗れ、最大11・5あったゲーム差は2に縮まり、1・5差だった4月5日以来の接近だ。「早く投げられればうれしいと思う。もう負けないように一戦一戦頑張りたい」と大谷。チームを勝利に導く二刀流の意義は大谷自身が一番、分かっている。(柳原 直之)

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