阪神・北條“びっくり弾”だ!今季6度目猛打賞だ!

[ 2016年8月14日 06:00 ]

<神・中>お立ち台で笑顔満開の青柳(左)と北條

セ・リーグ 阪神5―2中日

(8月13日 京セラD)
 阪神・北條史也内野手(22)が、13日の中日戦(京セラドーム)の5回に左翼へ4月3日のDeNA戦(横浜)以来となる2号ソロを放った。久々の一発で今季6度目の猛打賞もマーク。3安打した過去5度はチームは全敗していただけに、勝利に貢献する躍動に笑顔も弾けた。

 北條の言葉を借りると“びっくり弾”だ。2点リードの5回。3ボール1ストライクからジョーダンの直球を強振すると、打球は左翼席へ一直線に向かう。本人はトップスピードで一塁を駆けていた。

 「(プロ)1本目もギリギリだった。びっくりした。入ると思ってなかったのでびっくりした。(着弾した)ボールが(外野に)落ちてきたので全力で走りました」

 指揮官からの“予言弾”でもあった。前日から2日連続で参加した早出特打の際、金本監督に「しっかり腰を使って上からダウンに入ってくれば、本塁打が出るよ」と肩を叩かれていた。

 「(監督に)もっと打てると言って頂いたので。もっと自分も打ちたいと思っていた」。出迎えた監督も「びっくりしました」と目を丸くする恩返しの一発になった。

 1番に入って迎えた初回は左翼線を破る二塁打で先制点の足がかりを作った。2回は右翼後方への二塁打。今季6度目の猛打賞で今度こそ正真正銘のヒーローになった。

 過去5度、チームは全敗。その事実を知り「どうでもいいところで打ってるってことです…」と自虐的になったこともあった。胸を張って上がったホームゲーム初体験のお立ち台で「チャンスで打ててなかったので、もっともっと打てるよう頑張りたい」と誓った。

 小学4年で始めた野球。あの時、初めてグラウンドに背を向ける自分がいた。春季キャンプ中に行われた2月21日のヤクルト戦。遊撃で立て続けに2失策を犯した。

 「次の日から野球が怖くなりました。ほんまに怖いです。あんな気持ちになったのは初めてだったので…。ミスしたくない気持ちが強いほど怖いんですよ。でも、これを乗り越えないとレギュラーなんて獲れないんで。自分で乗り越えるしかないと思いました」

 味わった恐怖はグラウンドでしか拭えない。開幕後は、たとえミスしても「引きずらない」と念仏のようにつぶやき前を向いた。今季、8試合に遊撃で先発して失策はゼロ。バットでも26打数10安打5打点、打率・385と攻守で躍動する。

 「ショートはまだまだ難しいんで」

 足の震えに耐える日々が、22歳をたくましくしていることは間違いない。(遠藤 礼)

 ≪6度目猛打賞で初勝利≫北條(神)が二塁打2本とプロ2号ソロの3安打で7月13日の広島戦(甲子園)以来、通算6度目の猛打賞。3打席連続安打と長打2本以上はいずれも自身初。これまで5度あった自己最多ゲーム4塁打の2倍の8塁打を稼いだ。また過去5度の猛打賞ではチームは全敗。今回初めて勝利に貢献できた。

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