阪神・青柳 6回1安打無失点で4勝目 初お立ち台「最高です」

[ 2016年8月14日 05:30 ]

<神・中>阪神先発・青柳

セ・リーグ 阪神5―2中日

(8月13日 京セラD)
 初めて立った京セラのマウンドで青柳が仁王立ちだ。中日打線を手玉に取り、6回無失点で4勝目を挙げた。

 「カウントを悪くして状況を作ってしまったけど、ピンチを乗り越え、乗っていけた」

 唯一の難所は立ち上がり。先頭大島に中前打と二盗を許し、いきなり無死二塁。溝脇、ナニータを内野ゴロに仕留め、迎えたビシエドは外角スライダーで空振り三振。磨いてきた球だけに「効果的に使えて良かった」と気分も乗った。

 仲間への感謝を忘れない。「僕1人で勝てるような投手ではない」。そう語る理由がある。忘れられない経験は帝京大に入学して間もない頃。当時恒例だった帝京高との交流試合だ。「あの時の帝京って、原口さんから以降ずっとプロ入り選手がいたでしょ。もうめった打ちにされました」。イニング数も失点も忘れたいほど、持ち球すべてを打ち込まれた。

 「僕が打たれたんですけど、なぜか捕手のやつばかり怒られて。習志野で甲子園出たやつだったんですけどね。申し訳なかったです。自分にそこまでの実力がまだないからだと。ある意味、それはそれで悔しかったです」

 オーバースローが苦手で下手投げに転向し、中学時代は怪我に泣き、控え投手に甘んじた。ようやく高校で1年秋から背番号1をもらった。甲子園には縁がなく、地味なな野球キャリアだった。「入学して早々、打ち込まれたのでへこみましたね」。現在地を思い知り、どん欲に、はい上がってきた。

 許した安打は結局大島の1本のみ。球数ちょうど100球で交代。「ボール先行を減らせば、まだまだイニングも伸ばせる」。手応えをつかんだ。北條と並んだお立ち台で「最高です」と笑った夏の夜。失敗と成功を繰り返し、一段ずつ成長の階段を上がっていく。 (久林 幸平)

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