筒香 延長サヨナラ打!初CSへ巨人に3・5差も「優勝狙っています」

[ 2016年8月14日 05:30 ]

<D・広>延長10回1死一、二塁、サヨナラ打を放った筒香(中央)は歓喜のシャワーを浴びる

セ・リーグ DeNA2―1広島

(8月13日 横浜)
 最後はこの男だ。DeNAの筒香嘉智外野手(24)が13日、広島戦の延長10回1死一、二塁から右翼線にサヨナラ打を放った。先発の黒田博樹投手(41)には3打席連続三振を喫したものの、自らのバットで死闘に決着をつけた。今季6度目のサヨナラ勝ちで、筒香はリーグ最多となる3度目のサヨナラ打だ。チームは2位・巨人に3・5ゲーム差に迫り、球団初のクライマックスシリーズ(CS)進出に前進している。

 サヨナラの打球が右翼線へと抜けた。一塁に到達した筒香はUターンして歓喜の輪へ…。いや、違った。そのまま右翼へ突っ走った。慌てたナインもペットボトルを手に追いかける。右翼席のDeNAファンの前でのウオーターシャワー。4番打者は気持ちよさそうに水しぶきを浴びた。

 「前の人たちが必死につないでくれたので、何としても還そうという気持ちだった。勝てた。それが一番うれしい」。延長10回1死一、二塁。2ボール2ストライクと追い込まれた6球目だった。薮田の甘く入ったツーシームを捉えた。今季6度目のサヨナラ勝ち。うち3度は筒香が決めたものだ。「勝祭2016」として開催されている広島3連戦で、「お祭り男」の面目躍如である。

 黒田には3打席連続三振を喫した。今季7打数4安打1本塁打と打ち込んでいた相手だったが、この日は手も足も出ない。初回と6回は得点圏に走者を置いた場面で「チャンスで打てていなかった。それではチームに流れが来ない」と責任を感じていた。最後は4番の意地だった。

 この試合で横浜高の先輩でもある石川が通算1000試合出場を達成した。筒香が大好きで尊敬する存在。「(サヨナラ打のボールを)ちょうだいと言われました。(あげるかは)分かりませんけど」とおどけたが、記念試合を自らのバットでお祝いした。きょう14日、母校は甲子園で履正社と対戦。自身が3冠王を争うヤクルト・山田の出身校だ。後輩に特製Tシャツを差し入れるなど母校への思いが強い筒香は「応援したい」と胸を躍らせた。

 2位・巨人と3・5ゲーム差。球団初のCS進出が現実味を帯びる中、筒香の目指す場所は違う。お立ち台で「僕たちはCS進出ではなく、優勝を狙っています」と宣言した。 (中村 文香)

 ≪通算4本目も今季3本目サヨナラ打≫筒香(D)が延長10回サヨナラ安打。自身サヨナラ安打は12年8月25日巨人戦(二塁打)、今季6月4日ロッテ戦、7月22日巨人戦(いずれも本塁打)で記録したのに次ぎ通算4本目、今季3本目になる。チームでシーズン3本以上のサヨナラ安打は94年ローズの4本を筆頭に7人目だが、今季の筒香は3本全て延長戦でマーク。過去、6人のうち延長戦で2本は61年桑田、97年鈴木尚、06年村田といたが、3本は筒香が球団史上初めてだ。

続きを表示

2016年8月14日のニュース