ロッテ石川 セミ“乱入”ビビった 球審に捕獲お願いでピンチ脱出

[ 2016年8月13日 06:40 ]

<ロ・ソ>6回、マウンドに落ちたセミを見つけた石川は球審・森に助けを求める

パ・リーグ ロッテ2―0ソフトバンク

(8月12日 QVCマリン)
 試合後、完封勝利を挙げたロッテ・石川がベンチ裏の通路で報道陣に対応していると、近くを通った球団OBの小宮山悟氏が「セミ、苦手?」と聞いた。「はい…」と即答。マウンドではクールな男が頬を赤く染めた。

 5回まで無安打。最速150キロの直球と得意のシンカーも好調で大記録を予感させた。ところが6回1死、打者・川島の際に小さなアクシデントが襲う。「ポトリ」。足元に何かが落ちた。絶命寸前のアブラゼミだった。4球目を投げた後に森球審に「捕獲」をお願い。迅速な措置ですぐに試合は再開も、続く5球目が初の被安打となる三塁内野安打となった。続く中村晃にも左前打を浴びて1死一、二塁とされたが、何とか後続は斬った。

 結局、許した安打は6回の2安打のみ。新人だった14年7月から自身6連敗を喫していたソフトバンク打線を圧倒した。今季2度目の完封で和田と並ぶリーグトップタイの12勝目。防御率と合わせてパ2冠だ。大事な3連戦に先勝し、3連勝で首位と7ゲーム差とした伊東監督も「石川はリラックスして投げた。ボールの切れ、制球も良かった」と称えた。

 富山で生まれ育った石川は、少年時代の夏休みはセミ捕りに明け暮れたという。大人になり、都会の生活に慣れ、「手づかみは怖い。小さい頃は好きだったのに、いつの間にか触れなくなった」。この試合で石川が動揺した相手は柳田でも内川でもなかった。

 「最初は調子がよくなかったので(投げ合った)和田さんをイメージして投げました。リラックスしてバランスもよくなりました」。プロ3年目にしてこの対応力。確かに石川は大人になった。山田 忠範)

 ≪被安打2は自身最少タイ≫石川(ロ)が被安打を2本に抑え今季2度目で通算5度目の完封。自身の完封試合では昨年4月28日の西武戦に並ぶ最少被安打になった。また、ソフトバンク戦はCSを含め7戦7連敗中だったが、14年7月14日以来2年ぶりに3勝目を挙げた。これで、パ1位の防御率1.59に加え12勝も和田(ソ)に並ぶ最多となり、勝率は.800で2位に浮上。投手3冠も視野に入ってきたがどうか。なお、前日11日の楽天戦では唐川も完封。チームの2試合連続完封は、11年4月19、20日の西武戦で成瀬、唐川がいずれも完投で記録して以来5年ぶりだ。

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