イチロー 新ルーティンで輝き取り戻す “ゴルフスイング”の回数が激減

[ 2016年8月9日 08:59 ]

<ロッキーズ・マーリンズ>3000安打を放ち、ファンの声援に応えるイチロー
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ナ・リーグ マーリンズ10―7ロッキーズ

(8月7日 デンバー)
 4月中旬、マーリンズ・イチローの大切なルーティンの一つが消えた。正確に言えば、極端に減った。ゴルフスイングのような素振りだ。

 それが意味するものは「胸の部分が投手に正対しない。右肩が開かない、左肩が投手方向へ向かない」という孤高の打撃理論。チェンジアップやスプリットなどオフスピードの落ちる変化球に対しては、グリップが残り胸が投手に正対しなければ対応できる。そのための意識づくりだった。代わって、目立つようになったのが、グリップエンドをボールにぶつけるような直線的な素振り。それこそが、今季の打撃復活を語る上で欠かせないルーティンなのだ。

 投手のタイプ別打率を見ると、本格派(三振数+四球数の合計がリーグ投手全体の上位3分の1)に対して、今季は打率・465をマーク。昨季の・255から大幅なアップで、パワー系の投手に力負けしていないことが打率3割をキープしている要因といえる。

 これまではグリップを左耳後方へ引っ張ってからスイングしていたが、今季は速球に差し込まれないように、最初からトップの位置で構え、そこから最短距離でバットを出す。その意識付けを、グリップをボールにぶつけるような素振りで行う。3000安打も鋭い打球で右翼フェンス上部にぶち当てた。速球にも力負けしない今季のイチロー。再び全盛期の輝きを取り戻した。

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