【東尾修の視点】あきれる凄さの大谷 4打席を封じ切ることは難しい

[ 2016年8月7日 08:30 ]

<ソ・日>3回無死一塁、詰まりながら左越えに2ランを放つ大谷
Photo By スポニチ

パ・リーグ 日本ハム8―1ソフトバンク

(8月6日 ヤフオクD)
 日本ハム・大谷の2本塁打は驚きを通り越して、あきれたといっていい。初回の第1打席は5球全て内角高めで空振り三振。ソフトバンクのバッテリーからすれば「意識付け」はできたはずだ。しかし、3回の2打席目。大谷は迷うことなく踏み込み、3球目の真ん中高めのボール球を捉えた。

 大谷は詰まっても逆方向に放り込めるから、手元まで球を引きつけられる。緩急に崩されることもなくなった。リーチがありバットと球の距離が取りにくい内角高めは攻めどころではあるが、千賀の150キロを超える球威でも崩れないところを見ると、1試合、4打席を封じ切ることは難しい。

 優勝争いでゲーム差が詰まったら、ソフトバンクのバッテリーは右肩付近へのさらに厳しい攻めも必要だ。ただ、内角高めへ何球も精度良く投げ込める投手はそうはいない。さらに、投手、打者ともに一流の域に達した大谷の存在感がある。今までは投手の方が「遠慮」していた内角攻めも、「失投したらやられる」との重圧に変わったといえる2本塁打だろう。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月7日のニュース