DeNA山崎康 敗戦翌日も“神対応”変わらず…誰もが待つ復活劇

[ 2016年8月7日 11:00 ]

5日の中日戦の9回2死満塁、平田に走者一掃の逆転適時二塁打を浴び降板するDeNAの山崎康

 あんな表情を初めて見た。DeNAの守護神・山崎康晃はベンチに戻ると歯を食いしばり、目を真っ赤にして、顔をしかめた。5日の中日戦(横浜)。1点リードの9回にマウンドに上がり、2死満塁から平田に走者一掃の逆転二塁打を浴びて降板した直後のことだ。普段は打たれても表情を変えない選手。だからこそ、強く印象に残った。

 「現実を受け止めて、できることをしっかりやりたい。投げたいところに投げられていないことも事実。打たれてひっくり返されたのも現実なので。きょうから準備できることもたくさんある」。試合後はそう言って前だけを向いた。

 背水のマウンドだった。2日の阪神戦(横浜)から3試合連続で失点していたが、試合前に投手コーチに「もう1度マウンドに上がらせてほしい」と志願していた。結果は2/3回を3安打3失点。1・69だった防御率は3・73まで悪化した。ここまでリーグ2位の25セーブ。酷暑の中での4試合連続登板で疲労もあったはずだ。だが、「疲れは感じていない。僕は去年も経験している」と一切、言い訳はしなかった。

 プロ2年目の23歳。球団でもトップクラスの人気選手だ。9回にマウンドに上がる時にタオルを掲げて飛び跳ねる「ヤスアキジャンプ」を楽しみに来場するファンも多い。普段からファンを大切にする人柄が人気の理由。時間の許す限り、1時間以上サインを書き続けることもある。記者の質問にもどんな時でも丁寧に応じてくれる。その先にファンの存在があると分かっているからだ。

 敗戦の翌6日。練習後にいつも通り、ファンのサインに応じる山崎康の姿があった。前日も観戦に訪れたという少年にこう言っていたのが印象的だった。「昨日は応援してくれたのにごめんね。次はもっと頑張るからね」。ラミレス監督は6日の同戦は休養させて、7日にセーブ機会で山崎康をマウンドに送ると明言している。誰もが、山崎康の復活を待っている。リベンジを果たして、とびきりの笑顔を見せてほしい。(記者コラム・中村 文香)

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2016年8月7日のニュース