ソフトB 和田でM点灯王手 勝てば37、引き分けでも38

[ 2016年8月6日 08:40 ]

<ソ・日>12勝目を挙げた和田は勝利の花火を背に「12」のポーズ

パ・リーグ ソフトバンク3―2日本ハム

(8月5日 ヤフオクD)
 気迫があふれ出た。7回無死から三振、三振で2死としたソフトバンク・和田は、市川を141キロ直球で3者連続三振に斬った。普段は冷静沈着なマウンドさばきの35歳が左の拳を強く握り、珍しく吠えた。

 それだけ今季のペナントを左右する一戦だった。8回先頭・中島まで4者連続、10個目の三振。8回2失点でハーラー単独トップの12勝目を挙げ、1、2位直接対決第1ラウンドで2位・日本ハムとのゲーム差を6・0に広げた。

 「うちには絶対的守護神(サファテ)がいる。7、8回は最後の力を振り絞って投げました」

 それまでのペース配分も見事だ。初回2死一塁、中田に140キロを打たれ、中越え先制2ランを浴びた。「直球を狙われている感じだった」。2回以降はこれでもかと変化球で攻めた。4回無死一塁、再び、中田を迎えると2球連続チェンジアップで三ゴロ併殺。リーグ本塁打トップをいくレアードには3打席16球のうち14球までが変化球で、2三振と封じ込んだ。

 勢いからすれば、9回まで投げ切れた可能性は高い。ただ、ヒーローインタビューの通り、9回はサファテを想定し、8回までに出し尽くそうとした。6月下旬、和田が音頭を取った投手会が福岡市内の焼き肉店で行われた。先発に限らず、中継ぎも全員誘った。「先発、中継ぎの信頼関係があってこそのチーム」。絆がチームを強くするという持論の通り、仲間を信じて託したリレーで1点差を守った。

 4連勝で最多貯金33。6日に勝つか引き分けるかで優勝マジックが点灯する。「初戦を取れば負け越しても4ゲーム。その重要性を分かっているチーム全体で勝った試合」と和田。ただ、先頭でけん引したのはまぎれもなく背番号21だった。 (福浦 健太郎)

 ▼ソフトバンク・工藤監督(快投の和田に)調子もあると思うけど、それ以上に気持ちが上回った。あらためて凄いなと感じました。

 ≪敗れれば7日以降≫ソフトバンクは2位日本ハムに勝ったため、6日にも優勝へのマジックナンバーが初点灯する。条件は日本ハムに勝つとM37、引き分けるとM38となり、敗れた場合は7日以降に持ち越しとなる。

 ≪03年伊良部(神)は13勝≫和田(ソ)がハーラー単独トップとなる12勝目。メジャーから復帰初年度に12勝は、03年伊良部(神)の13勝に次ぎ、06年石井一(ヤ)、昨年黒田(広)の各11勝を抜く白星になった。なお伊良部のいた阪神は同年リーグ優勝を果たしているが、ソフトバンクも続くか。また、この日は10奪三振。ゲーム2桁奪三振は今季4度目で通算29度目となり、パでは星野伸之(オ)に並ぶ歴代12位タイになった。

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