マエケン 黒田超え10勝 投球回数もチームトップ125回2/3

[ 2016年8月6日 05:30 ]

<ロッキーズ・ドジャース>5回2/3を4安打5奪三振、2失点で10勝目を挙げた前田(AP)

ナ・リーグ ドジャース4―2ロッキーズ

(8月4日 デンバー)
 大台到達だ。ドジャースの前田健太投手(28)が4日(日本時間5日)、敵地でのロッキーズ戦で先発し、5回2/3を4安打5奪三振、2失点で10勝目(7敗)をマークした。ルーキーイヤーで日本選手が2桁勝利を記録するのは、14年ヤンキースの田中以来、2年ぶり7人目。投球回数はチームトップの125回2/3となり、安定した投球を続けるマエケンの存在感は増すばかりだ。

 チームの雰囲気の良さを象徴していた。4―2で迎えた5回1死。前田が1番打者ブラックマンに一ゴロを打たせ、一塁カバーに全力疾走した。アウトにした後、マウンドに三塁手ターナーが立っていた。「最初は何をしに来たんだろうと思った」。敵地クアーズ・フィールドは標高約1600メートルの高地にある球場。ダッシュで疲労した前田のために、間を取るためだった。意図を理解した右腕の顔には、笑みが広がった。

 「あまり状態はよくなかった」と本調子ではない中で、緩急をつけて粘り強く5回2/3、96球を投げて4安打2失点。相手はナ・リーグ最多のチーム得点数(577)を誇る打線で、打球が飛びやすいとされる舞台では上々の結果だ。デーブ・ロバーツ監督は「ここで投げるのは骨が折れる。ケンタの今日の働きは大きい」と絶賛した。

 チームに一体感をもたらすムードメーカーとなっている。試合前。3日前にアスレチックスから移籍した新4番レディックが、テレビ局のインタビューを受ける際「チームになじんでいることが伝わるTシャツを着たい」とナインにせがむとターナーから「マエケン体操」のイラストが入ったTシャツを勧められた。5月に作られ、同僚たちに配っていたものだ。

 投球回数125回2/3はチームトップで、10勝は離脱中のエースのカーショーに次ぐ数字。同じ広島からド軍へ移籍した黒田の1年目(08年)は9勝止まりだった。「今まで以上に責任を持ってマウンドに上がらないといけない」と前田。ジャイアンツを2ゲーム差で追う地区優勝争いは、これからが正念場だ。「とりあえず(2桁)達成できてほっとしている。ここから積み上げていかないと」とさらなる奮闘を誓った。(奥田 秀樹通信員)

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月6日のニュース