阪神・高山 2安打3打点 金本監督指導効果 微修正で即結果

[ 2016年8月6日 05:30 ]

<ヤ・神>5回1死一塁、一塁走者・高山はデイビーズの暴投の間に一気に三塁を奪う

セ・リーグ 阪神8―0ヤクルト

(8月5日 神宮)
 不振脱出ぶりも並のルーキーではない。阪神・高山が長期ロード初安打となる21打席ぶりの快音を響かせると、勢いそのままに7月30日中日戦で2安打して以来、5試合ぶりのマルチ安打で3打点を叩き出した。

 「(藤浪)晋太郎に勝ちが付いて良かった。最近、調子が悪くはなかったけど結果が出ていなかったので良かったです」

 2点リードの5回1死三塁、3月31日にプロ初本塁打を放ったデイビーズの初球、低め直球を軸回転で右前に弾き返して7月31日の中日戦以来の「H」ランプを灯し、3点目を記録した。

 締めは8回だ。2死満塁、カウント1―1から成瀬の外角直球に反応。打球は高くバウンドしながら二遊間を抜け中前への2点適時打となった。左腕から8打席目での初安打が貴重な一打。通算39打点とし球団新人では藤井栄治を抜き歴代6位に躍り出た。この日、得点圏3度で2安打し得点圏打率・391とし再びリーグトップに立った。

 「夏場でも筋トレを含め、体重を落とさないように気を付けてます。調子につながるので」

 7月は月間打率・366をマークした夏男。酷暑下での好調維持は、冬の地道な体作りに裏打ちされる。昨年12月。右手有鉤(ゆうこう)骨骨折のリハビリ期間中、患部の回復と並行し、体のメカニズムを基礎から見つめ直した。

 「初めての大きな怪我だったので、もう一度、体を見直す良いタイミングになったと思う」

 扉を叩いたのは船橋中央シニア時代のコンディショニングコーチが在籍する船橋市内のトレーニングジム。着手したのは下半身のバランスの乱れと、骨盤のゆがみの修正だった。「自分でも気付かないところで、ひずみが来てたんだなと思った。プロで1年間戦える体を作るために(修正は)絶対必要だった」。苦手とするスクワットや体幹トレーニングで根本から鍛え直した。

 「まだまだ鍛えないと。『長く現役で活躍し続けるためにはどうするか』ということを意識し続けないといけない」

 試合前には金本監督から右肩が入り過ぎていることを指摘されると、微修正を加え即結果を残した。「これだけ結果が出ているので、持続していきたい」。心、技、体。それぞれの芽を膨らませ、夏場の戦いを駆け抜ける。 (久林 幸平)

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