巨人・坂本 山田抜いた!打率トップ 6戦連続マルチで5連勝7差

[ 2016年8月4日 05:38 ]

<中・巨>4回1死一、二塁、ギャレットの右前打で激走する坂本

セ・リーグ 巨人5―0中日

(8月3日 ナゴヤD)
 チャンスメークはお任せ!巨人は3日、中日を5―0で下し、今季2度目の5連勝を飾った。リードオフマンの坂本勇人内野手(27)が2安打2得点で勝利に貢献。6試合連続のマルチ安打で打率・336とし、ヤクルトの山田を抜いてセ・リーグ打率トップに立った。首位・広島とのゲーム差を7と縮め、5日からの敵地での3連戦に弾みをつけた。

 スパイクのひもを結びながら、坂本はいたずらっぽく笑った。「足が痛くて…」。試合前。負担の少ないゴム底のシューズで打撃練習を始めたが「試合もこれでと思ったけど、やっぱり無理」と途中でスパイクに履き替えた。それもそのはず、この日も2安打2得点で最近10試合で17得点。ベース1周は約109・7メートル。17周なら単純計算でも約1865メートルを短期間で駆け抜けたからだ。

 「後ろのバッターが還してくれるので、出塁すれば点につながる。(ここ最近は)いい形でできていると思います」

 好調な打線の文字通り先頭に立っている。4回は先頭で左前打。1死一、二塁からギャレットの右前適時打など2点の先制劇の口火を切った。5回は1死から左前打し、村田の13号3ランで生還。5回までに5得点のまさに起点になった。7回の四球は代走・寺内を送られ得点なしも、前夜の4出塁4得点など、これで5試合連続マルチ得点。高橋監督は「坂本が、というわけじゃなくて今は誰もが塁に出ればチャンスになる」としたが、今季2度目の5連勝は「坂本が出れば点が入る」が必勝パターンだ。

 この日の2安打で6試合連続マルチ安打。5月以降、最も打率が低かったのが7月22日で・310だった。翌23日のDeNA戦(横浜)から9試合で8度目のマルチ安打。打率を・336まで引き上げヤクルト・山田を抜き、6月24日以来の打率トップに躍り出た。

 4学年下の山田とは親交が深く「てつと」と呼んで面倒を見ている。そろって出場した球宴中には、多忙なスケジュールを縫って食事をともにした。昨年、トリプルスリーを達成した若武者のスイングの強さなど野球談議に花が咲いた。坂本も今季は力強いスイングを目指し、右足に体重を乗せた広いスタンスからの打撃フォームに修正。追い込まれるまでのフルスイングも昨年以上に徹底している。山田は長打力に加えて盗塁もある。坂本も10年の31本塁打以来の17本塁打、昨年と並ぶ10盗塁に到達。打率で山田を超えたが「まだまだ試合がいっぱいあるし、1試合ずつやっていきたい」と満足はしていない。

 山田が勝ち越し2ランを放ったヤクルトに首位の広島が敗れ、ゲーム差は7と縮まった。5日からは敵地で大事な直接対決だ。「いい流れで迎えられる」。打率トップに立った坂本が、今度はチームを頂点へ導く。 (春川 英樹)

 ≪球団最長8試合≫坂本(巨)が2安打2得点で勝利に貢献。7月28日広島戦からの安打数は2、2、2、3、2、2で、10年3月30日横浜戦から4月4日広島戦までの自己最多に並ぶ6試合連続マルチ安打。2リーグ制以降の巨人では54年与那嶺と85年中畑の8試合が最多で、坂本はどこまで伸ばすか。また7月29日ヤクルト戦からは5試合連続2得点以上。4番以降の打者が坂本に続き、5連勝に結びついている。

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