巨人 4番・阿部のV打で快勝! 14安打7得点で天敵KO

[ 2016年8月3日 05:30 ]

<中・巨> 4回無死一塁、先制の適時二塁打を放つ阿部

セ・リーグ 巨人7―2中日

(8月2日 ナゴヤD)
 4番が打てば強いっ!巨人・阿部慎之助捕手(37)は2日、中日戦で4回に先制の適時二塁打を放ち、17試合連続安打をマーク。4連打の口火となり、今季2戦2敗の天敵・若松駿太投手(21)を攻略した。チームは14安打7得点と爆発し、4連勝で貯金5。阿部が7月24日のDeNA戦(横浜)で4番に入って以降、チームは6勝1敗だ。首位・広島との8ゲーム差は変わらないが、4番のバットが逆転Vへの機運を高めている。

 0―0の4回無死一塁。マウンドには今季チームが2戦2敗を喫している中日の若松がいる。今年初めてナゴヤドームでプレーする阿部は、頭のスイッチを切り替えた。

 2ボール1ストライクからの4球目。外角直球にバットを出し、左中間を破った。一塁走者の坂本が生還し「勇人の激走で先制点につながって良かった。チェンジアップをマークしながら(直球を)狙った。この球場はホームランが出ないから」。逆方向への長打で天敵攻略の突破口を開いた。4番の一打から4連打で4得点。4年目右腕をこの回でKOした。

 10カ月前の短期決戦でつかんだ打撃のヒントは、今季に生きている。昨年10月、ヤクルトとのCSファイナルステージで敗退したが、4試合連続マルチ安打を記録。バットを短く持つスタイルで11安打を量産した。ミートに徹すれば、ヒットは打てる。日本シリーズ進出は逃したが、そのことを再確認できた。

 5月31日に1軍に昇格してから5番を打っていたが、7月24日のDeNA戦(横浜)から4番を張る。そこからチームは6勝1敗。「俺はね、打順に応じた仕事をしたいと思っちゃうんだよね」と、打線の中心に座りながら、場面に応じて打撃を変える。求められるのは豪快な一発だが、広いナゴヤドームでは外野の間を抜く長打が最善と判断。強引にならず、軽打の引き出しを開けた。

 試合前の打撃練習では、打ち損じが目立った。でも、こんな日もある。切り替えられる強みが、16年目のベテランにはある。初回の第1打席では、チームが手を焼いてきた若松の得意球チェンジアップを捉え、強烈な投直。「いい感じだった」と、プラスのイメージをつかんでしまえば、試合前の不安は吹き飛ぶ。

 首位・広島とは依然8ゲーム差。なかなか背中は近づかないが、チーム状態は確実に上がっている。打線は後半戦12試合中7試合で2桁安打を記録。高橋監督は「(打線の)軸がしっかりすると、やっぱりいい流れで打席に入れるのかなと思う」と手応えを口にした。

 マルチ安打を放った阿部は、これで17試合連続安打。5日からは広島との直接対決3連戦(マツダ)が控える。12年にマークした自己最長の19試合連続安打は、そこで超えられる。

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