【神奈川】慶応 2年4番・正木 ハマスタ上段にライナーV弾!

[ 2016年7月31日 05:30 ]

<桐蔭学園・慶応>3回1死、ライナーで左中間スタンド上段に本塁打を放つ慶応・正木

第98回全国高校野球選手権神奈川大会準決勝 慶応10―5桐蔭学園

(7月30日 横浜)
 第98回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は30日、4大会で6試合が行われた。神奈川大会では慶応が桐蔭学園を10―5で下した。2年生4番の正木智也外野手が3回に今夏3本目の左中間ソロを放つなど15安打の猛攻を見せた。横浜は桐光学園に8―4で逆転勝ち。2本塁打でチーム大会通算本塁打を12とし、大会新記録を樹立した。愛知、福岡では代表が決定。31日は2大会で決勝が行われ、全49代表が出そろう。

 バットの先に当たったというのに、正木が放った打球は横浜スタジアムの左中間スタンド上段で弾んだ。3万3000人の大観衆がどよめく。2―2の3回1死から放った勝ち越しソロ。「ホームランは狙わず、後ろにつなぐつもりだった。タイミングがずれてしまったけど、感触は良かった」と笑みがはじけた。

 俳優・綾野剛似のクールな慶応ボーイは、バットを握れば別人へと変わる。細身だが、背筋力は180キロ。中学時代から器具を使い鍛え続けた強じんなリストが飛距離の秘密だ。準々決勝・東海大相模戦では2発放ち、昨夏の甲子園優勝校を倒した。今夏3本目で高校通算は20号。主砲の一発で勢いづいた打線は4回以降も7点を奪い、桐蔭学園を圧倒した。

 進化の跡を見せた。中学時代にも30本塁打を記録したが、森林貴彦監督は「最初は変化球に対応できず、いるのかいないのか分からないくらいだった。大丈夫かなと思っていた」と振り返る。それでも飛距離に期待した指揮官は1年秋から4番で起用し続けた。正木は毎日居残りで1時間以上のティー打撃に取り組んだ。今大会前に自分のタイミングをつかむと、強いリストで球を押し込めるようになった。

 北神奈川代表として甲子園に出場した08年以来の決勝進出。6回の左翼守備でスライディングキャッチした際に右足がつりながらフル出場した正木は「明日は大丈夫。万全でいけます」と言い切った。きょう31日の決勝の相手は横浜。森林監督は「10回やって1回勝てるかどうか。思い切ったことをやっていきたい」と話し、正木は「この夏に懸けてきた。必死に全力でやる」と力を込めた。先発が予想される横浜のエース藤平を打ち、8年ぶりの夏切符をつかむ。(松井 いつき)

 ◆正木 智也(まさき・ともや) 1999年(平11)11月5日、東京都生まれの16歳。小2から池雪ジュニアストロングで野球を始める。雪谷中時代は世田谷西シニアに所属し、3年春に全国大会16強。慶応では1年秋から4番。1メートル81、80キロ。右投げ右打ち。

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