“おかわり代役”西武・山川 救った同点弾 5時半起床で大阪入り

[ 2016年7月31日 05:30 ]

<オ・西>8回2死、同点のソロ本塁打を放った山川(右)は佐藤外野守備走塁コーチに迎えられる

パ・リーグ 西武3―2オリックス

(7月30日 京セラD)
 1点を追う8回2死。吉田一の低めのフォークを2球続けて空振りした西武・山川は、3球目の148キロ直球に食らいついた。体勢を崩しながらはじいた打球は右中間席へ。起死回生の2号同点ソロ。「たまたまです」と謙遜したが、ここから打線がつながり、栗山の決勝打が生まれた。

 昨夜1軍昇格を告げられたときは就寝中だった。主砲・中村が打撃不振で出場選手登録を抹消。朝5時半に起きて大阪行きの新幹線に飛び乗った。山川は日焼けした顔で「いつでも呼ばれる準備をしていたけどバタバタだった」と振り返った。

 入団時から「おかわり2世」と期待された3年目。この日は打撃練習で右打席の巨漢が快音を飛ばすのを見た野球少年に「おかわり!」と間違われた。「僕は中村さんの代わりにはなれない。でもファームで打って上がってきた。そこは自信にしたい」。前日は2軍のヤクルト戦(西武第2)で2発。7月8発で、21本塁打はイースタン・リーグトップだ。

 帽子のひさしは汚れたまま。それは緊急昇格の証だ。「2軍は土のグラウンドですから」。今季は開幕スタメンも2度の2軍落ちを経験した。6月30日に抹消されて以来の1軍昇格で即結果を出した山川について、田辺監督も「腐らずにファームでやった結果が出た。早起きしたかいがあったね」と目を細めた。

 負ければ最下位、今季最悪の借金18の危機から逆転を呼び込む一発。「勝ってよかった」。ヒーローは汚れた帽子を誇らしげにかぶり直した。 (君島 圭介)

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