ソフトB柳田 不敗弾12戦全勝 2位ハムを離した5差

[ 2016年7月30日 06:10 ]

<日・ソ>8回無死、柳田は中越えソロを放つ

パ・リーグ ソフトバンク6―4日本ハム

(7月29日 札幌D)
 ギュイーンと伸びた。2点リードの8回無死。ソフトバンク・柳田がフルスイングした一撃に、中堅・陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)は一歩も動かなかった。

 バックスクリーンへ突き刺さる12号ソロが効いて、防御率リーグ1位の有原をこの回でKO。4ゲーム差で相対した2位・日本ハムとの3連戦第1ラウンドで、首位の底力を示した。柳田の一発が出れば、今季は12戦全勝だ。

 「簡単な投手ではない。(打てないのは)相手が上回っているだけ。甘い球だけをしっかり飛ばそうと考えた。いいスイングができました」

 苦手意識を克服した。今季の対有原は試合前まで16打席無安打。対日本ハムは同じく、51打数12安打の打率・235で打点、本塁打ともに0だった。沈黙を破ったのは1点を追う6回無死一、三塁。対有原19打席目にして初安打となる左中間適時二塁打。対日本ハムの長いトンネルも抜け、一気の逆転につなげた。

 浮上のきっかけは26日の楽天戦(コボスタ宮城)にあった。5点リードの9回2死満塁。楽天・小野の制球難を考慮し、3ボールから1球見逃した。結果的には押し出しの四球を選んだが、試合後、1球の見逃しを後悔した。「なぜ、振らなかったか…。自分に必要とされるのはそれじゃない」とベンチ裏でこぼしたという。この日、迷いなき「マンブリ」は本来のこの男の姿だった。

 終盤、反撃をしのいだ工藤監督は「最後まで分からなかったけど、みんなで何とかしてくれたね」と息をついた。今季4試合0勝3敗だった天敵・有原に黒星をつけただけではなかった。「とにかく、勝つ。それだけでした」と語る柳田のフルスイングは、迫り来ていた日本ハムの圧力を一気に振り払った。(福浦 健太郎)

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2016年7月30日のニュース