巨人・阿部 東京D199号 父のLINE助言でV弾 

[ 2016年7月30日 05:30 ]

<巨・ヤ>初回2死一塁、阿部(右)は2ランを打ちポーズを決める

セ・リーグ 巨人3―1ヤクルト

(7月29日 東京D)
 数日前、巨人・阿部は父・東司さんから一通のLINE(ライン)メッセージを受け取った。「右投手のときに、打席の立ち位置がホームベースに近づき過ぎている」。打ちたい気持ちが強すぎたのか、自らも気がつかない微妙な変化。貴重な助言を胸に刻んだ。

 初回2死一塁。右投手のデイビーズに対し、足場をしっかり固めた。ベースに近づき過ぎないようにしてから、打席に入った。2―2からの6球目。144キロにバットを出した。打球はライナーで右中間席へ。「ツーシームかな。少しタイミングがずれた」と今季7号を振り返った。

 開幕前に右肩を痛め、1軍昇格は5月31日だった。約2カ月がたち、4番に戻って4試合目。体は、満身創痍(そうい)だ。右肩だけでなく、首痛も抱える。試合前にはゴムボールを額に押しつけ、患部に刺激を与えてからグラウンドへ。「いきなり動くとピリッときちゃうから」と、できる限りのケアを施して4番を張る。

 入団1年目の01年4月13日の横浜戦。東京ドームでプロ1号本塁打を右中間へ運んだ。15年がたち、37歳になっても飛距離は衰えない。「入るとは思わなかった」と言いながら、スタンドまで運ぶ技術がある。本拠地での本塁打数は199本になった。

 首位・広島とは9ゲーム差。残り試合を考えれば現実的には厳しい差だが「まだ分からないよ」と諦めていない。入団後、15年間で7度のリーグ優勝を経験。08年には阪神と13ゲーム差をつけられながら、後半戦の快進撃で逆転した経験もしている。追われるプレッシャーを知り尽くしているからこそ、諦めていない。この日の先発は内海。今季は2軍でともに過ごす時間が長かっただけに「良かったよ」と援護を喜んだ。

 前日は6安打を放ちながら零敗。この日は5安打で競り勝った。高橋監督は「チャンスは少なかったが一発で仕留めてくれた」と頼れる4番打者を称えた。(川島 毅洋)

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