【愛知】東邦・藤嶋 凄みの完封 満塁ピンチは左翼に“打たせて”脱出

[ 2016年7月30日 05:30 ]

<東邦・栄徳>5回、2死満塁のピンチを切り抜け吠えながらベンチに戻る東邦・藤嶋

第98回全国高校野球選手権愛知大会準決勝 東邦3―0栄徳

(7月29日 岡崎市民)
 第98回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は29日、愛知と福岡の2大会で準決勝が行われた。愛知大会では東邦の今秋ドラフト上位候補の右腕・藤嶋健人投手(3年)が6安打で完封。春夏連続出場に王手をかけた。30日は、福岡大会で決勝が行われ、九州国際大付と福岡工大城東が激突。このほか、神奈川と大阪で準決勝が行われる。

 3―0の9回。1死二、三塁を2者連続三振で仕留めた東邦・藤嶋は雄叫びを上げた。「最後はストライクばかり投げ急ぎました。そこが反省点」。栄徳相手に9奪三振で完封も、課題を口にすることも忘れなかった。

 怪物の凄みを見せつけたのは、この日143キロを記録した直球の速さではない。0―0で迎えた5回2死満塁のピンチ。打球は力なく三塁後方、左翼線の安打コースに飛んだが、打球の先には左翼・鈴木光が待ち構えていた。「藤嶋の速球を引っ張れない左打者の打球はあそこに飛ぶことが多いんです」。守りのヒーローは笑顔で説明した。

 視察した中日・中田宗男スカウト部長も「勝つ野球をやっている。その気になって投げれば145、146キロは出せる。それを封印して、ここぞの場面で力を出す」と評価。聖地に王手をかけた藤嶋は「明日は喜びの声を球場に響かせます」と優勝を宣言した。

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