116選手ラスト指名のハセジュン フレッシュ球宴から次の夢へ

[ 2016年7月30日 09:00 ]

フレッシュオールスターに出場した巨人・長谷川潤

 長谷川潤。愛称はハセジュン。スラリと伸びた手足に、小麦色の肌。鼻筋が通った端正な小顔で、女性人気も高い。ファッションモデルでタレントの長谷川潤のこと…ではない。巨人の新人右腕のことだ。

 「あんなに綺麗な人が本当にいるんですかね…。いつか会ってみたいです」とハセジュンのことを、巨人のハセジュンが話していたことがある。その右腕が7月14日に開催されたフレッシュオールスター(倉敷)で、全イースタン・リーグの先発を務めた。

 昨秋育成ドラフトで8位指名され、巨人に入団。3軍からはい上がり、3月下旬に支配下登録されると5月6日の中日戦(東京ドーム)で1軍デビューした。2軍でもリーグ3位タイの6勝を挙げ、防御率は2・85(7月30日現在)。フレッシュ球宴で全イ軍を率いた巨人・斎藤2軍監督は、先発に抜てきした理由を「(コーチとしてベンチ入りした西武の)横田2軍監督に任せたから」と冗談交じりに話しながらも「先発に見合うだけの成績をきちんと収めてきた」と評価した。

 ドラフト会議で名前が呼ばれたのは全116選手中、116番目。「しんがり右腕」は同球宴に出場したドラフト1位の西武・多和田、日本ハム・上原らを抑えて先発のマウンドに立った。初回は中日・友永を見逃し三振に抑えるなど、3者凡退。2回は阪神・板山に右越えソロを浴びたが、オリックス・奥浪を3球三振に仕留め、2回2安打1失点で全イの勝利に貢献した。サイドスローから140キロを超える直球と、キレのある変化球が光った。

 楽天・松井裕、中日・若松、ソフトバンク・東浜ら現在1軍で活躍する多くの投手が、フレッシュ球宴で先発のマウンドに立った。ハセジュンには新たな目標ができた。「次はオールスターに…」。入団時の年俸は240万円で、支配下登録後は420万円。休日、友人と食事に出かけても「もちろん割り勘ですよ。僕も友達ももらっている額は変わらないので」と笑うプロ野球選手。ハセジュンのステップアップに、プロ野球界ならではの「夢」を見たい。(記者コラム・神田 佑)

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2016年7月30日のニュース