金本監督 初スクイズ成功 4連勝「ウチだけ無かったから、どんどん伸ばしたい」

[ 2016年7月29日 07:25 ]

<神・ヤ>4回1死三塁、北條はスクイズを決める。投手・小川

セ・リーグ 阪神10―5ヤクルト

(7月28日 甲子園)
 4戦連続2桁安打となる14安打で10得点の猛攻劇の中にあって、要所で駆使した小技がピリリとスパイスを効かせた。阪神・金本監督も「一発で、細かいところもやってくれたね」と頬を緩めた。

 随所に散りばめた「スモール野球」のクライマックスは4回に訪れた。3点を奪い、なおも1死三塁。打者・北條のカウント2ボール1ストライクからスクイズを敢行した。「(決めたのは)フォーク。ストライクゾーンに来た。強くても良いから前に転がそうと。流れ的にも良かった。その前に(相手バッテリーが)外した球が来て、監督が(サインを)出したと思う」(北條)。「超変革」を象徴する選手の1人が、チームで今季初めてスクイズを成功させ、相手の英気をくじいた。

 もちろんスクイズだけではない。今季の定石ならヒットエンドランを仕掛ける場合が多かった初回無死一塁でも「荒木の打力とかを考えて。足が速いからスチール(と絡めたヒッティング)と迷ったけど、そういう作戦を取ってみました」と送りバントを指示。3点リードの5回無死二塁でも荒木に送りバントを指示し、得点につなげた。剛柔織り交ぜた攻撃で、相手に隙を見せなかった。

 この日も含め、4連勝のうち3勝を逆転でもぎ取った。反発力の見えてきたチームに「初戦は0―3から(逆転勝ち)。(これまでは)大体、ズルズルと中押しも取られて、そのまま…というパターンだったけど。食い下がることなく。それは僕が一番、嫌いな野球だった」と手応えを口にした。そして前を向いた。

 「他のチームがけっこう連勝していてウチだけ無かったから。いつか来るかなとは思っていた。まだ小型だけど、どんどん伸ばしていきたい」。29日からは4位で肩を並べる中日との3連戦。勝ち続けるのみだ。 (惟任 貴信)

 ≪3度目で成功≫阪神のスクイズは今季初の成功。金本監督は6月14日のオリックス戦7回1死二、三塁で大和に就任後初めてスクイズのサインを出したが失敗(ファウル)。7月26日のヤクルト戦4回1死二、三塁でも大和が失敗(ファウル)していた。

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