巨人・阿部 今季初4番で打線つながった 7連打3発6点で一気逆転

[ 2016年7月25日 05:48 ]

<D・巨>9回1死満塁、2点適時打を放ちナインに迎えられる阿部

セ・リーグ 巨人9―1DeNA

(7月24日 横浜)
 車のシートにどっかりと身を沈めた。「役割は変わらない」。巨人・阿部はそう言ったが、重圧の大きさは顔に表れていた。4番の責任を果たした安ど感。「打点を挙げられてよかった」。勝利につながる2安打3打点を短く振り返った。

 DeNAに連敗を喫し、勝率5割で迎えた一戦。高橋監督が大きな一手を打った。「なかなか流れという部分でどうかなというのがあったので」。5月29日から40試合で4番が続いた長野を1番に据え、4番には今季初めて阿部を起用した。0―1で迎えた4回、その新打線がつながった。

 1死から3番・坂本が右翼線二塁打を放つと、阿部が右前へ同点打。勢いに乗せた。今季初の5番に入った村田が勝ち越しの左越え12号2ラン。6番ギャレットもソロで続き、今季初の2者連続弾だ。阿部は「修一(村田)とギャレットが続いてくれてよかった」。さらに小林誠の2ランなどで7連打6得点の猛攻。2年ぶりの1イニング3発、7連打は3年ぶりだった。

 首位・広島と今季最大の11ゲーム差で迎えた試合で7連打。20年前と重なる。同じく首位だった広島を最大11・5ゲーム差から逆転優勝した96年の「メークドラマ」。きっかけとなった7月9日広島戦(札幌円山)での9連打をほうふつさせる攻撃だった。高橋監督は「(打線改造が)当たったとは思わない」と謙遜したが、先発全員の15安打で9得点。指揮官の決断は功を奏した。

 実は試合前、阿部と村田は先発オーダーを見た後でも「練習の途中まで気づかなかった」という。前日まで阿部、村田、ギャレットで5、6、7番だった並びが同じだったためだ。打順が1つずつ繰り上がった3人が7連打を演出し、村田は「阿部さんが打ってつながると勢いが出る」とうなった。巨人の現役選手で最多の4番出場は、阿部の333試合。9回にもダメ押しの2点打を放った主砲を、高橋監督は「勝負強さはずっとありましたしね」と称えた。

 26日から10ゲーム差の広島との3連戦(岐阜、京セラドーム)。「いい形でカープと戦えると思います」と阿部。逆転優勝へ「ガチンコで広島と戦う」と誓った37歳のベテランがどっかりと4番に座り、ドラマは新たな展開に突入する。 (春川 英樹)

 ≪7連打13年4月以来≫巨人は4回に3本塁打を含む7者連続安打。チームのイニング3本塁打は14年4月2日DeNA戦(横浜)の6回にアンダーソン→村田→ロペスと3者連続で記録して以来。イニング7者以上の連続安打は13年4月24日DeNA戦(京セラドーム)の8回に7連打して以来になる。今季14号のギャレットは横浜スタジアムで7本目。チームの同球場でのシーズン本数としては98年松井、04年ローズと並び最も多くなった。他球団を含めたビジターチームの最多本数は95年江藤(広)、99年緒方(広)、10年ブラゼル(神)の8本。巨人は今季同球場で4試合を残しており、ギャレットはどこまで増やすか。

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