金本監督「本人とチームのため」 鳥谷先発落ちで連敗止めた

[ 2016年7月25日 06:01 ]

<広・神>6回2死満塁、鳥谷はヘーゲンズから二塁適時内野安打を放つ

セ・リーグ 阪神8―5広島

(7月24日 マツダ)
 スタメンを告げる試合前の場内アナウンスに虎党の応援席がどよめいた。阪神・鳥谷の名前が呼ばれない。12年の開幕戦から続けてきた歴代4位のフルイニング出場が、667試合でストップした。前日まで打率・231で、守備でも10失策。ついに「聖域」にメスが入った。

 出番は逆転した6回2死満塁で訪れた。11年5月26日のロッテ戦(甲子園)以来の代打でヘーゲンズの直球を振り抜くと、詰まった打球が一塁手の頭上を越え、二塁適時内野安打となった。さらに8回1死満塁でも押し出し死球で2打点目。久々に打線が機能したチームは連敗が5で止まり、後半戦初勝利を挙げた。

 歴代3位の連続試合出場を1702試合に伸ばした鳥谷は試合後、いつもと変わらず飄々(ひょうひょう)としていた。「別に普通でした。(適時打で)点が入って良かったです」。試合中はベンチから味方を鼓舞し高山や荒木のキャッチボール相手を務めるなど、できることに専念した。

 1492試合連続フルイニング出場のプロ野球記録を持つ金本監督にとっても苦渋の決断だった。「ちょっとメンタル的なこともあったし。外れることが、本人のためとチームのためという両方の部分で(判断した)。これ以上さらし者みたいにするわけにはいかない」と説明。詳細は明かさなかったが、「面談」を重ねた上で断を下した。

 適時打もまだ本来の当たりではない。しかし、泥くさく挙げた2打点を、指揮官は「まあ、そういうところ(前向きな姿勢)も見せていかないとね。いい経験だと思うよ」と評価した。大きな節目を迎えた日に、チームは長いトンネルを脱出。広島戦の連敗も9で止めた。この荒療治が逆襲への起点となるか。(山添 晴治)

 ≪代打出場は5年ぶり≫鳥谷が広島戦の先発メンバーから外れ12年開幕戦の3月30日DeNA戦からの連続試合全イニング出場が歴代4位の667試合でストップした。6回に代打出場し、04年9月9日ヤクルト戦からの連続試合出場記録は継続。1702試合は衣笠2215試合、金本1766試合に次ぐ史上3位。鳥谷の代打出場は、11年5月26日ロッテ戦(三ゴロ)以来5年ぶり。

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