【石川】星稜のスラッガー寺西 大会新!!1試合4発

[ 2016年7月24日 05:45 ]

第98回全国高校野球選手権石川大会準々決勝 星稜12―2小松明峰

(7月23日 石川県立)
 どんな名脚本家でも、これほど“できた”ストーリーは書けない。2年連続の劇的フィナーレを経た決着戦。25日の準決勝で、星稜が3度、小松大谷と激突する。

 「小松大谷?特に意識はしてません。どこが相手でも圧倒して勝ちたいという気持ちだけです」。

 しっかり前を見据え、寺西は決意を言葉に乗せた。石川大会新記録の1試合4本塁打で圧倒した準々決勝の小松明峰戦。12得点の大勝劇で2年生の4番は初回の短打1本に終わった。2回戦の小松商戦に続き今大会2度目の先発マウンドも初回に2点を失い、なおも2死満塁のピンチを残し降板。不完全燃焼の内容では、「因縁の一戦」に視線を向ける余裕などなかった。

 1メートル91、93キロ。際立つ肉体に、規格外のスケールを感じる。周囲の比較対象は、同じ左打者で、根上中→星稜高と球歴も重なる松井秀喜氏(元巨人、ヤンキースなど)。「松井さんは別格です」。発展途上のスラッガーは照れながらも、球界のレジェンドを密かにお手本にする。松井氏を指導した山下智茂名誉監督に当時の練習法を質問。同氏が変化球を左翼、中堅、右翼と打ち分けていたことを聞き、昨秋からティー打撃で全コースに対応する練習を始めた。「今では苦手なコースがなくなりました」。言い切る自信が頼もしい。

 「打撃では、まだまだ松井さんと比較にならないけど、寺西は投手もやっている。2年生だし、もっと伸びてくる」。

 林和成監督の信頼も厚い。甲子園出場は、高校野球史に伝説を刻んだ大先輩を追い越すためのパスポート。寺西のフルスイングで、まずは3年越しの因縁にピリオドを打つ。(堀田 和昭)

 ◆寺西 建(てらにし・たける) 1999年(平11)7月1日、石川県能美市生まれの17歳。小3から「根上学童野球クラブ」で野球を始める。根上中から星稜高。1年生の昨夏に背番号「11」をつけてベンチ入り。ポジションは一貫して投手。1メートル91、93キロ。左投げ左打ち。

続きを表示

2016年7月24日のニュース