【新潟】中越　２年連続Ｖ王手！串田　勝利呼ぶ同点打＆足攻

第９８回全国高校野球選手権新潟大会準決勝 中越６―３加茂暁星

（7月23日 ハードオフ新潟）
　準決勝が行われ、新潟明訓と中越が決勝へ進出した。中越は６回に押し出しで勝ち越すと、相手の隙を突く“足攻”で２点を追加。７回にも追加点を奪って試合を決めた。４年ぶり８度目の新潟明訓か、２年連続１０度目の中越か、甲子園を懸けた決戦は１２年以来の同一カードになった。

　串田大地（３年）が、バットと足で勝利を呼び寄せた。まずは０―１で迎えた４回にバットで見せた。無死一、二塁の場面で打席が回って来ると「バットを短く持ち、ボールを長く見てコンパクトに振れました」。センターにしぶとくはじき返し、同点の１点を迎え入れた。当初は初球から犠打のサインが出ていたが、初球はファウルで失敗。２ボール１ストライクからの４球目も空振りで結果的に犠打は決められなかったが「切り替えていきました」。その打席ですぐに借りを返した。

　足で見せたのは６回だった。２死満塁から四球の押し出しで２―１と勝ち越した直後。三塁走者の串田が、一塁走者の岡田拓磨（３年）が挟まれる間に３点目のホームを陥れた。「相手が岡田を見ていて自分のことは無警戒だったので、隙を突いてとっさの判断で行きました」と串田。日頃の練習から、常に先の塁を狙うという意識を強く持っていたことが、好判断につながった。串田と同時に、２塁走者だった坂上顕士（３年）も相手のタッチを華麗にかわしてホームイン。結果的にこのプレーで奪った得点が、決勝点となった。

　１試合ごとに成長を続けてきた中越が、連覇へ王手をかけた。それでも「ここまで来ると、誰もがあと１つというのを意識してしまうが、ここまでは先を見ないことを徹底できている。今年は先を見てやってきたチームではないので、次（決勝）も今まで通りやりたい」と本田仁哉監督。最後の最後にもう一度気を引き締め、決勝に挑む。（棚橋　孝太）