平田がヤジに鬼の形相 ビシエドへの侮辱を看過できず

[ 2016年7月24日 07:53 ]

<中・ヤ>3回二死三塁、平田は左中間にタイムリー二塁打を放つ

セ・リーグ 中日1-3ヤクルト

(7月23日 ナゴヤD)
 敗戦直後の一塁側ベンチが騒然とした空気に包まれた。引き上げる中日ナインに特定の観客から投げかけられる心ないヤジ。普段は温厚な平田が鬼の形相で反応した。激しい応酬となり、平田はスタンドまで上がりかけたが、関係者に抱きかかえられてロッカールームへ。得点力を欠く戦いで連敗となり、借金は今季最多の9。数字以上に、後味の悪い敗戦だった。

 試合中から断続的にヤジは飛ばされていたが、試合後の標的はビシエドだった。5打席のうち、3打席で得点圏に走者を置いたが無安打。連続打席無安打は23にまで延びた。侮辱的なポーズをしながらのヤジだったと証言する関係者もいる。事実なら言語道断の行為だが、それでも助っ人は紳士だった。

 「ファンの人がしたことだから、僕は気にしていない。精一杯、自分もやっている。後は僕を信じて欲しい」

 前半戦は持ち味の勝負強さと長打力で幾度もチームの勝利に貢献してきただけに、復調を待つしかない。

 9安打を放ちながらも1得点。1―1の4回無死一、三塁の好機では7番・藤井以下が3者三振に倒れた。ファンだけではない。誰もがストレスのたまる敗戦だった。帰宅する際、平田は普段の温厚な表情でファンに呼びかけた。

 「選手も一生懸命、やっていますので、皆さんには応援してもらいたい。勝負なので勝ち負けはありますが、応援で大きい声を出して頂きたい。それが後押しにもなる」

 上位浮上にはチーム、そしてファンとの一体感が大きな原動力となる。残り51試合。チームは今、分岐点にさしかかった。

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2016年7月24日のニュース