イチローマルチで3000安打へM4!本拠地10連戦で決める!

[ 2016年7月23日 05:30 ]

<フィリーズ・マーリンズ>3000安打まであと4本としたイチロー(右)はチームメイトと勝利のジャンプ

ナ・リーグ マーリンズ9―3フィリーズ

(7月21日 フィラデルフィア)
 マーリンズのイチロー外野手(42)が21日(日本時間22日)、フィリーズ戦に「1番・右翼」で4試合ぶりに先発出場。2安打し、メジャー通算3000安打まで残り4本とした。3回に遊撃内野安打、8回には右前打を放ち、今季18度目のマルチ安打。22日(同23日)からは本拠地での10連戦で、地元での大記録達成へマーリンズ・パークが熱くなる。

 当たり前のように2安打して大台到達まであと4本。取り囲む日米メディアは増え続け、注目度はピークへと達しつつある。それでもイチロー本人は「それは見たら分かるでしょ。僕がそっち側に寄っていくと思いますか」とあくまでペースを崩さない。それがイチロー。バットでも、らしさを存分に発揮した。

 3回の第2打席。2死走者なしから先発右腕アイクホフのチェンジアップを二遊間に転がすと一塁へ猛ダッシュ。ナ・リーグ4位の守備率・984を誇る遊撃手ガルビスはスライディングキャッチから1回転してロスなく投げたが、3・75秒で一塁を駆け抜けた。三遊間への打球を意識していたというガルビスは「どこにでも打てるし、まだとても速い。本当に守るのが難しい」と白旗を揚げた。8回の第5打席では1死一塁から左腕スタンプのスライダーを大きく空いていた一、二塁間へ測ったように運ぶ右前打。今季打率・343は1932年に当時42歳のサム・ライスが記録した42歳以上の大リーグ記録(・323、200打席以上)を上回る。

 殿堂入りが確実とされる3000安打の金字塔へ、いよいよ秒読み段階に入った。マーリンズは22日(日本時間23日)から本拠地10連戦。地元での記録達成の期待は高まるばかりだが、「前向きかどうかなんて俺知らないよ。後ろ向きな人もいてほしいな」とあくまで自然体だ。10連戦最初のカードは、ポストシーズン進出を争う3位メッツとの3連戦でレギュラー組の出場が濃厚。ベンチスタートが有力だが「代打で10試合、もし10打席だったら難しいっすよ。代打なんか(安打は)4回に1回くらいの感じだからね。先発で毎試合と全然意味が違う」と冷静に捉えている。

 その言葉は、先発出場すれば打つという自信の裏返しにも聞こえる。今季18度目のマルチ安打だが、そのうち17度はスタメン出場した33試合で記録している。「1打席で2本は打てない。周りはいろいろ言うかもしれないけど、そのことで僕は変わっていない。もう何回もこういうことを経験している」。史上30人目の快挙を目前に控えても無の境地でいられる。これがイチローの凄みだ。

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