筒香MVP弾!本塁打競争0のリベンジ「明日は投手を代えます」

[ 2016年7月16日 07:22 ]

<全パ・全セ>5回、ホームラン競争で不発だった筒香が豪快な一発

マツダオールスターゲーム2016第1戦 全セ5―4全パ

(7月15日 ヤフオクドーム)
 試合後、球場でタクシーを待つ間に囲み取材を受けていた筒香(DeNA)は、すぐ横を同僚の戸柱が通ったのを見逃さなかった。「明日は本塁打競争の投手を代えます!」。MVPを獲得した主砲の突っ込みに、戸柱(DeNA)はは苦笑いだ。

 「シーズン中は状況に応じて打つけど、球宴なので」と、全打席本塁打を狙っていた。球宴8打席目で飛び出した初アーチは1点リードの5回。則本(楽天)の外角低めのスライダーだった。ライナー性の打球は右翼テラス席へ。直球が3球続いた後「びっくりした」と想定外の球種だったが前に突っ込まず、軸回転で振り抜いた。「今まで以上に軸足、体の左半身を意識している」。高等技術に裏付けられた一撃だった。

 強烈な一発の1時間半前は、肩を落としていた。昨季は球宴1戦目の1回戦で9発を放つなどしてホームランダービーで優勝。だが、今年は勝手が違った。戸柱が投手を務めたがボール球を連発した影響もあり、まさかの0本に終わった。

 だが、侍ジャパンの4番も務める男は引きずらない。5回に一発を放ち、7回もマーティンの151キロ直球をはじき返して左翼フェンス直撃の二塁打。「ホームラン競争で恥をかいたので…」と振り返ったが、試合では最も輝きを放った。

 運命が交差した。試合前、筒香は神妙な表情でグラウンドを見つめていた。今年1月に野球殿堂入りした榎本喜八氏(享年75)の表彰式。最近、読書好きの筒香が時を忘れて読みふけったのが松井浩著の「打撃の神髄 榎本喜八伝」だった。通算2314安打の天才打者。自宅に打撃練習場をつくり、バットの代わりに日本刀を振って太い木を一刀両断したり、毎日腕立て伏せを2000回したという伝説が残っている。筒香は「ベンチで座禅くんだりしていたんです。(本は)分厚いけど凄く面白い」と声を弾ませていた。

 榎本氏の野球にストイックな姿勢に感銘を受けた筒香の理想は高い。16日の第2戦は本拠地の横浜スタジアム。「4番・左翼」で先発出場する。「本拠地なので横浜のファンに喜んでもらえるプレーをしたい」。代名詞の大アーチで再び球宴の主役になる。(平尾 類)

 ≪長打率10割超え≫筒香(D)が本塁打を含む2安打を放ちMVP。チームのMVPは12年第1戦中村以来8人目になる。昨年球宴初出場から3試合通算で8打数4安打(打率・500)。安打の内訳は左越2、中越2、右本、左越2と全て長打。塁打÷打数で算出する長打率は1・250に達している。

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2016年7月16日のニュース