【神奈川】星槎国際湘南1年松下 4の4デビュー 由伸育ての親も絶賛

[ 2016年7月15日 05:30 ]

<星槎国際湘南・足柄>4打数4安打をマークした星槎国際湘南の1年生4番・松下

第98回全国高校野球選手権神奈川大会1回戦 星槎国際湘南9―0足柄

(7月14日 小田原)
 第98回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は14日、30大会で263試合が行われた。神奈川大会では星槎(せいさ)国際湘南の1年生4番・松下壮悟内野手が初の夏の公式戦に臨み、4打数4安打と華々しくデビューを飾った。西東京大会では優勝候補の日大三が佼成学園に逆転サヨナラ勝ち。3点を追う9回に4点を奪い、壮絶な乱打戦を制した。15日は35大会256試合が行われる。

 神奈川にもスーパー1年生がいる。星槎国際湘南の「4番・一塁」で先発した松下が、夏デビュー戦で4打数4安打の大暴れだ。1メートル78、90キロの恵まれた体格からバットを振り抜くと、あっという間に外野へ地をはうような鋭い打球が飛んだ。小田原球場は土のグラウンドだが、人工芝のような打球の速さに場内はどよめきに包まれた。

 「1打席目は緊張したけど、先輩たちが声をかけてくれて楽に打てた」。初回に中前打を放つと、2回も鋭く二遊間を抜いた。4、6回は左翼へ流し打ち。全4安打を中堅から左方向へ運んだ。

 背番号3の左打者といえば早実の清宮が思い浮かぶが、松下は清宮のようなスラッガータイプではなく柔らかいフォームの中距離打者。名門・桐蔭学園を30年率いた土屋恵三郎監督は「長打だけではなくコンパクトにも打てる。ヒットの延長が長打というスタイルは由伸に似ている」と教え子の高橋由伸(現巨人監督)になぞらえて目を細めた。

 普段から強打者の映像を見て研究を怠らない。清宮はもちろんのこと、最近はDeNA・筒香の動画がお気に入りだ。「目標にしている選手。あんなふうにライナーの打球を飛ばしたい」と憧れのまなざしを向けている。両翼98メートル、中堅122メートルある練習グラウンドで柵越えを連発し、高校通算も既に7発を数える。

 「清宮みたいになるよ。大きく育ててスターにして、神奈川を盛り上げたい」と土屋監督。この日は投げても2年生エースで最速140キロ右腕・本田が7回1安打11奪三振で完封。将来性豊かな逸材がそろう星槎国際湘南が戦国・神奈川の台風の目となる。 (松井 いつき)

 ◆松下 壮悟(まつした・そうご)2000年(平12)11月20日、神奈川県生まれの15歳。小2から野球を始める。成瀬中時代は伊勢原シニアに所属し、3年春に関東大会出場。星槎国際湘南に進学後は入学即4番。家族は両親と姉、兄。1メートル78、90キロ。右投げ左打ち。

 ▽星槎国際湘南 1999年開校の広域通信制高校。2010年に創部した野球部は寮で生活し、大磯にある校舎へ週5日通学。全日制と同じ生活を送る。土屋恵三郎監督は13年夏まで桐蔭学園を指揮。14年4月から星槎グループのスポーツ振興室室長に就任し、15年1月から野球部監督。女子サッカー部は全国大会に出場する強豪。所在地は神奈川県中郡大磯町国府本郷1516。

続きを表示

この記事のフォト

2016年7月15日のニュース