中田“再出発”V撃 15連勝中は蚊帳の外も復調一歩

[ 2016年7月14日 05:30 ]

<オ・日>決勝打の中田はファンの声援にこたえる

パ・リーグ 日本ハム3-2オリックス

(7月13日 京セラD)
 集中力を研ぎ澄ました。2点を追う8回2死満塁。日本ハム・中田が平野の151キロ直球をコンパクトに振り抜いた。ライナー性の打球が右中間で弾む。走者一掃の逆転二塁打。二塁ベースに達すると、両手をバーンと叩いた。吠えた。

 「僕が全然、打てていない時にみんながカバーしてくれた。僕がカバーできてよかった」。この場面。平野が初球に投じた真ん中のフォークをファウルし、続く外角に落ちるフォークは見極めた。「2アウトだったので積極的にいった。甘い球は、思い切り振っていこうと思った」。状況を読んで、積極性を貫き、続く3球目を捉えた。チーム最多12度目の決勝打。栗山監督は「感動した」と何度も繰り返し「翔のバットで(チームは)前に進む。連勝している時もうれしかったけど、今日みたいな勝利が一番うれしい」と声を弾ませた。

 15連勝中、中田は50打数9安打、打率・180、本塁打なし。連勝街道に乗った6月27日西武戦(札幌ドーム)では腰の張りで代打を送られ、翌日から2試合欠場した。その後は4番に復帰したが、結果は出ない。雨天中止になった6日楽天戦(コボスタ宮城)のこと。室内練習場で打撃マシンを相手に打ち込んだが、どん詰まり、時には空振りもした。地面にバットを叩きつけ「俺についてくんな!」と報道陣に声を荒らげた。折れそうな心と真正面から向き合い、孤独と闘った。

 1965年南海以来、51年ぶりの16連勝を逃した前日は16試合ぶりで一時逆転の一発。この日は敗戦濃厚の中、一振りで試合をひっくり返し、首位・ソフトバンクとの6ゲーム差を保った。「毎日こんな打てない4番を使い続けてくれて申し訳ない。これからどんどん貢献したい」。これからは4番がチームを助ける。(柳原 直之)

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2016年7月14日のニュース