【広澤克実の視点】阪神 若手野手が抱える課題「直球を待ち、変化球を打つ」

[ 2016年7月14日 09:00 ]

<ヤ・神>9回表2死一、二塁、代打・原口は空振り三振に倒れる

セ・リーグ 阪神4-2ヤクルト

(7月13日 神宮)
 2―2の9回2死一、二塁からゴメスの代打として起用された原口は、外角低めのスライダーにバットが止まらず空振り三振に倒れてしまった。この日の原口だけではなく、北條あるいは高山、中谷らの若手野手に加え、打撃の調子を落としている選手に共通しているのは、ストレートを待ちながら変化球を打つという技術が未熟であるということだ。

 この場合、二つのポイントに留意しなければならない。まず一つ目は体重配分だ。打者はピッチャーよりの足に4、キャッチャーよりの足に6の割合(3対7でも可)で構えているが、ステップしていく際にこの配分を変えてはいけない。その体重配分をキープしながらボールを待つことで、変化球も見極められるようになる。

 二つ目のポイントは、キャッチャーよりの肘の使い方である。肘という関節は「開く」か「閉じる」という二つの動きしかない。トップの形をつくった際にキャッチャーよりの肘は閉じているのだが、下半身、上半身の順で回転運動をしながら、いかに肘が閉じている状況を維持できるかが重要になる。いくら投手よりの肩を開かないように我慢したとしても、キャッチャーよりの肘が開いてしまうとバットは出てしまう。ストレートを待ちながらの変化球を打てない打者はつまり、肘の開きが早いのだ。

 原口にしても肘の開きを我慢することができていれば、最後のスライダーに対してもバットを止めることができていただろう。(1)体重配分(2)肘の開きの2点に気を付けながら、後半戦に向かってほしいと思う。(スポニチ本紙評論家)

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2016年7月14日のニュース