【それぞれの夏】京葉工の「たいが」 かずさマジック経由でプロ目指す

[ 2016年7月14日 10:06 ]

<京葉工・柏陵>8回、空振りする京葉工・千葉

第98回全国高校野球選手権千葉大会1回戦 京葉工1―2柏陵

(7月13日)
 京葉工は甲子園出場経験がある柏陵に食らいついたが、無念の逆転負け。京葉工の4番・千葉虎(たいが)は「自分がチャンスで打てなかったのが敗因」と唇を噛んだ。

 3回は1点先制してなお2死満塁の好機で投ゴロ。6回は1死二塁で三ゴロとカーブでタイミングを外された。走者がいる場面での2打席凡退を含む4打数無安打の内容に、主砲は敗戦の責任を背負ったが鴇田雄亮監督は「(千葉のせいで)負けたわけではない。今日も思いっきり振っていて千葉らしかった」とチームの大黒柱をかばった。

 両親から「虎のように強く育って欲しい」の思いを込めて「虎(たいが)」と名付けられた千葉は1メートル71、96キロの堂々たる体格。1年生の冬に108キロあった体重をトレーニングで絞り込んだ。現DeNA監督のラミレスのスイングをユーチューブで何度も見返して、打撃フォームの参考にした研究熱心の一面もある。弟3人、妹1人と5人兄弟の長男は「弟たちも野球をやっているので、甲子園の砂を持って帰りたかった」と悔しさをのぞかせた。

 卒業後は進学ではなく、地元の強豪クラブチーム・新日鉄住金かずさマジック入りを目指す。さらにその先はプロと千葉の夢は果てしない。「弟たちにも教えるし、野球はずっと続けていく」。心優しき兄は、夢に向かって挑戦し続ける。(吉沢 塁)

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2016年7月14日のニュース