【鹿児島】れいめい・太田龍 149キロ出た!プロ12球団34人集結

[ 2016年7月7日 05:30 ]

要所を締める投球でスカウト陣を酔わせたれいめい・太田龍

第98回全国高校野球選手権・鹿児島大会 れいめい4―1尚志館

(7月6日 県立鴨池)
 桜島が見守る中で“薩摩のドラゴン”が静かに動き出した。1メートル90の大型右腕、れいめい・太田龍(3年)が、散発7安打、9奪三振の完投で尚志館相手に4―1で勝利。国内12球団、34人のスカウト陣の前で自己最速タイの149キロをマークした。

 1点リードの8回二、三塁。スプリットで連続三振を奪った太田はマウンドで白い歯を光らせた。「ピンチでも笑顔で周りに勢いをつけることを意識しました。でも直球は良かったけど変化球は抜けていた。(10点満点中)5点です」。辛口評価だが7安打9奪三振の1失点完投勝利だ。

 都城(宮崎)の山本由伸、九産大九産(福岡)の梅野雄吾、福岡大大濠の浜地真澄と並ぶ「九州BIG4」と呼び声の高い投手の初陣にプロ12球団34人のスカウト陣が集結。それでも本人は「(スカウトは)気にしてなかったし、そこまで力を入れてない。自分でもびっくりです。球速は気にせず、勝ちにこだわりました」と振り返った。

 1メートル90、90キロの大型ボディーだが3回は二塁、6回は一塁けん制死を決めて「フィールディングは得意なんです」。6回の攻守交代時は相手打者のバットを拾ってボールボーイに手渡す余裕、気配りも見せて、県立鴨池の観客を酔わせた。

 目標はプロ。憧れは同じ長身投手のレンジャーズ・ダルビッシュ有と日本ハム・大谷翔平だ。当然ながら、チームを前校名の川内実として出場した80年以来の夏へ、上昇気“龍”に乗せる使命も太田は感じ取っている。 (井上 満夫)

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