阪神・原口 球宴の前にG倒集中!最下位脱出へ休日返上

[ 2016年7月5日 10:00 ]

バットをじっと見つめる原口

 阪神・原口文仁捕手(24)が4日、「マツダオールスターゲーム2016」(15日・ヤフオクドーム、16日・横浜スタジアム)に監督推薦で選出され、球宴初出場を決めた。育成経験者の球宴出場は野手では10年の松本哲(巨人)のみで、捕手では初めて。この日は、5日からの巨人3連戦(東京ドーム)に向け休日返上で打撃練習。夢舞台を前に、まずは目前の「伝統の一戦」に全力を注ぎ、単独最下位に転落したチームを浮上させる。

 シンデレラボーイが新たな勲章をつかんだ。無数のフラッシュを浴び、原口は感慨深げに笑った。小学生だった04年、新庄のホームスチールに目を輝かせた。06年には小笠原、カブレラに対して全球直球の力勝負に臨んだ藤川に魅了された。幼少時からテレビ越しに見つめてきた夢舞台に立つ自らを思い浮かべ、感情は自然と高ぶった。

 「新庄さんのホームスチールは記憶に残っていますね。キャッチャーは矢野さんでしたね。捕手として、というよりは野球全体を楽しんで見ていました。球児さんの神宮で投げた時のも印象に残っている。小さいころからスター選手がプレーしているのを見てきているので、うれしい気持ちもありますが驚きました。雰囲気を楽しめたら楽しんで、出させてもらえたら、全力で頑張りたい」

 球団捕手では13年の藤井以来3年ぶり。育成選手経験者で球宴に出場した野手は10年の松本哲(巨人)だけで、捕手では初めての快挙だ。もちろん出場だけで終わるつもりはない。松本哲は本塁打を放っていない。ここまで48試合に出場し打率・338、6本塁打、21打点。打撃で存在感を示す活躍が期待される。「(本塁打は)狙って打てないですけど自分のスイングをした結果、良い結果になれば。力まず狙っていきたい」と宣言した。

 4月27日に支配下選手へ再登録され、5月には月間MVPに選出。ファン投票ではノミネート選手でないにも関わらず17万4556票を獲得し2位と健闘した。「マークシートに名前がない中で、あれだけ票を入れていただいて感謝しかない。どこかで伝えたいと思っていた」。急成長を続ける24歳は、飛躍のヒントを逃すつもりはない。

 「勉強することは、守備の方でたくさんある。打撃練習、ゲームの中で参考になると思うので意識していきたい。どの投手もチームの主力なので、全員受けてみたいですね。(ヤクルト)中村さんには聞けることは、どんどん聞いていきたい」

 打撃で存在感を示しているが、チームでは先発マスクを被った38試合で14勝23敗1分けの“借金9”。3日の中日戦では、先発・岩貞が崩れるきっかけとなった今季4度目振り逃げを献上(すべて記録は暴投)し、チームは単独最下位に転落した。悪夢を振り払うように、この日は休日返上し、高山ら若手野手と神宮球場に隣接する室内練習場で約1時間半の打ち込みに励んだ。「日々、新たな気持ちでまたやります」。ファンの後押しに応え、胸を張って球宴に出場するためにも、まずは目前に迫る巨人との3連戦で結果を残す。(湯澤 涼)

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2016年7月5日のニュース