広島 球団タイ12連勝ならず…マツダ最多大観衆タメ息

[ 2016年7月1日 05:30 ]

<広・ヤ>9回2死一、二塁、田中が三邪飛に倒れ11連勝でストップ(捕手・中村)

セ・リーグ 広島2-5ヤクルト

(6月30日 マツダ)
 快進撃は止まった。広島は30日、ヤクルト戦(マツダ)で敗れ1984年の球団記録12連勝に並ぶことはできなかった。平日ナイターにもかかわらず同球場開場以来、最多観衆となる3万2292人のファンが詰めかけた。緒方孝市監督(47)は3点を追う9回に得点圏に走者を進めるなど最後まで意地を見せたことを評価。「明日につながるものが見られた」と前を向いた。

 26度の逆転勝利を誇る赤ヘル打線でも追いつけなかった。それでも4点を追う劣勢から一時は2点差に迫り、このカードすべて逆転で3連勝の期待がふくらんだ。09年のマツダスタジアム開場以来最多となる3万2292人の観衆の心に響くものがあったはずだ。

 敗戦でも新井は「切り替えるというよりも、次の試合に1試合1試合、全力で臨みたい」と暗い表情を見せなかった。ナイン一丸で最後まで諦めなかった。

 真っ赤に染まったスタンドがこの日一番の盛り上がりを見せたのは最終9回だ。3点のビハインド。だが“敗色濃厚”の雰囲気などベンチはもちろん、32年ぶりの快挙達成を期待するスタンドにもなかった。その後押しを受ける選手たちが諦めるなどあり得ない。まずは先頭の新井が外角へのスライダーに食らいついて左前打で出た。赤ヘル党も大歓声で雰囲気を盛り上げる。

 そして代打・安部は続けて外角高めに投じられた直球をフルスイング。打球は角度よく放たれ、観客のボルテージを高めるには十分。ただ、もう一伸びが足りずにフェンス手前で失速し右飛に倒れた。代打・松山は中飛に倒れたものの意地を見せた。ファウルでのカットを重ねて9球粘り、そのたびにスタンドが揺れた。会沢が四球で出塁して2死一、二塁。ホームランが飛び出せば同点の場面で、この日適時打を放っている田中。劇的勝利が多い今季のチームながら、ここは三邪飛だった。

 終盤の粘りに緒方監督は納得の表情だ。「最後の最後まで集中して、目指している形をやってくれた。明日につながるものだと見れました」。連勝は11で止まっても、一丸で必死に戦う形ができていると再確認。出直せばいい。

 この日は2位・巨人も敗れてゲーム差9は変わらず。指揮官は1日のDeNA戦(横浜)へと視線を向けた。「このヤクルト戦を2勝1敗という形で終われた。次の3連戦のアタマは取れるようにしたい」。先発は昨季最優秀防御率のジョンソン。必勝態勢だ。(柳澤 元紀)

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2016年7月1日のニュース