村中がコイ止めた!693日ぶり先発勝利でチーム救った

[ 2016年7月1日 05:30 ]

<広・ヤ>真中監督(左)、平井(右)とセーブを挙げた秋吉を迎え、ウイニングボールを受け取る村中

セ・リーグ ヤクルト5-2広島

(6月30日 マツダ)
 2年ぶりに先発した左腕が11連勝中の首位・広島を止めた。勝利の瞬間もヤクルト・村中のクールな表情は少しも変わらない。それでも、言葉は熱を帯びていた。

 「チーム状況が苦しい中、何とか長い回を投げようと思った。頑張れ、頑張れって、いろんな人がメールをくれていたので、良かった」

 中5日で先発予定だった小川が腰痛で6月27日に登録抹消され、館山、石川も故障離脱中。今季33試合に救援登板している村中が中3日で、14年9月30日の広島戦(マツダ)以来の先発を任された。「調整する時間もなかった」という状況下で5回2失点と好投し、チーム単独トップの5勝目。先発勝利は同年8月7日阪神戦(神宮)以来、693日ぶりとなった。

 10年11勝、12年10勝。だが、リーグ制覇した昨年は1軍登板がなく2軍戦でも2勝2敗、防御率8・33と散々な結果だった。投球フォームを崩して四球連発し、「ストライクぐらい入れろ!」とスタンドからヤジを飛ばされたこともあった。

 オフに背番号が「15」から「43」に変更。背水のシーズンだった。最速149キロで7奪三振。高津投手コーチは「ここまでやってくれると思わなかった。相手も中村恭平。これ、書いといてね」と声を弾ませた。

 村中恭兵に対し、広島先発は中村恭平。共に左投げ左打ちで1メートル85を超える長身からスリークオーターで速球を投げ込む。制球難と課題も同じだ。村中はプリンが大好物。父はパティシエで実家は洋菓子屋を営む。中村恭も趣味はお菓子作り。野球選手になっていなかったらパティシエを目指していたという。

 先発へのこだわりを聞かれると、「投げてくれと言われたところで投げるだけです」。最下位からの巻き返しへ、縁の下の力持ちは不可欠な存在だ。(平尾 類)

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2016年7月1日のニュース