米独立L 暗黙ルールをファンに説明、“講師”は元ダイエー助っ人

[ 2016年6月30日 15:55 ]

リッチ・ゴセージ氏 (AP)

 米独立リーグのセントポール・セインツは28日、7月6日のホームの試合で先着1500名のファンに2016年度の「暗黙ルールブック」を配布するという企画を発表した。

 野球界には長く論争となっている暗黙のルールというものが存在する。「大差でリードしているチームが盗塁をしてはいけない」、「ノーヒットノーランや完全試合を続けている投手に対し、その記録を阻止する目的でバントをしてはいけない」などがそれに当たるが、セインツはこれを明文化してしまおうと考えたのだ。

 しかし、手渡される「暗黙ルールブック」は、空白の部分が多く存在し、ファンは球場内で説明を受けながら、加筆する構成になっているという。そして、暗黙のルールについて講釈するのは、なんとリッチ・ゴセージ氏(64)だというから、セインツ球団の企画センスがうかがえる。

 ゴセージ氏はメジャー22年間で通算310セーブをマーク。1990年にはダイエー(現ソフトバンク)に所属し、日本のマウンドにも上がった経験もある。2008年には米国野球殿堂入りも果たした名投手だが、保守的な考えの持ち主としても有名。先の暗黙のルールには、「本塁打を放った選手が過度のパフォーマンスをしてはならない」というものもあるが、同氏はブルージェイズのバティスタが昨季のプレーオフで見せたバットフリップ(本塁打を放った際にバットを高々と放り投げる行為)を激しく批判している。

 また、統計学的見地から野球を分析するセイバーメトリクスやビデオ判定の導入にも懐疑的。伝統を重んじる野球人が、この企画でどのような考えをファンに示すか注目されるところだ。

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