“島人”オリドラ3大城 凱旋V儀飛 パ54年ぶり沖縄公式戦ヒーローに

[ 2016年6月29日 08:40 ]

<オ・楽>記念撮影に納まる(左から)大城、オリオンガール、西

パ・リーグ オリックス3―2楽天

(6月28日 那覇)
 犠牲フライによる1点でも、故郷で飾る立派な錦となった。0―0の3回1死一、三塁。オリックスのドラフト3位ルーキー・大城は「どうしても1点が先に欲しい。三塁走者を必ず還す」と、塩見のフォークに食らい付いた。飛距離十分の先制左犠飛。チームはこのリードを守りきり決勝打となった。連敗を6で止める値千金の一振りだった。

 「(地元の)皆さんの大声援が本当に力になった。目標にしていた試合。プレーできて良かった」。有言実行の滑り込み出場だった。昨年12月1日の入団仮契約。「6月に那覇で公式戦がある。その場面に立てたら」と抱負を語った。4月3日のロッテ戦(京セラドーム)でプロ初先発初安打のデビューを飾ったが、今月11日に2軍落ち。1週間前の20日に再昇格を果たし、「1番・中堅」で凱旋した。

 62年6月13、14日の阪急―大毎以来、54年ぶりに沖縄で開催されたパ・リーグ公式戦。興南2年夏に甲子園出場を決めた球場で、入り口には当時の写真が飾られており、丸刈りの初々しい大城の姿も写っている。その思い出の地でプロ初のヒーローインタビュー。前日は父・清二さんの実家で沖縄そばに舌鼓を打った。その両親が客席から見守る前で躍動した。

 「大城は良かったね。ウイニングボールは平野からもらいました」と目を細めたのは福良監督。この日が56歳の誕生日だった。チームは5失策と大荒れの試合に疲れ果てていたが「孝行息子」の登場には相好を崩した。

 ◆大城 滉二(おおしろ・こうじ)1993年(平5)6月14日、沖縄県生まれの23歳。興南2年時には遊撃手として史上6校目の甲子園春夏連覇に貢献。3年夏は沖縄大会準決勝で多和田(現西武)擁する中部商に6―7で敗れて甲子園出場ならず。立大では1年春から遊撃手レギュラーに定着、同大史上最多112安打をマークした。15年ドラフト3位でオリックス入り。1メートル75、72キロ。右投げ右打ち。

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