広島・野村 セ単独トップ9勝 6月は4戦4勝、月間MVP最有力

[ 2016年6月29日 05:30 ]

<広・ヤ>7回を4安打2失点で9勝目を挙げた野村

セ・リーグ 広島3―2ヤクルト

(6月28日 三次)
 勝利を見届けると、引き締まっていた広島・野村の表情は一気に緩んだ。ベンチ前でのハイタッチに加わりナインを出迎えると満面の笑みが広がる。強力打線を相手に7回4安打2失点と確実に試合を作り、自身4年ぶりとなる5連勝でソフトバンク・和田と並ぶ両リーグトップの9勝目。持ち味である安定感を、この日も存分に示した。

 冷静にアウトを積み重ねた。2回1死、雄平に先制本塁打を許した。4月5日ヤクルト戦以来、登板11試合ぶりの被弾だったが、自分を見失うことはなかった。

 「ソロだったので切り替えられました。チームがいい流れで来ているので、何とか勝ちを伸ばしたいと思っていた」

 同点の4回には無死一、二塁で山田を迎えたが、動じない。「いい打者なのでストライクゾーンを広く使った」。内外角を投げ分けて揺さぶり、最後は外角直球で右飛。続く雄平には一転、内角攻めを貫き遊ゴロ併殺に仕留めた。

 安定感は数字にも表れる。この日はソロ2本を浴びたが、今季の被本塁打3は規定投球回に達している投手では僚友・ジョンソンと並びリーグ最少。42奪三振もリーグ最少だが、制球力を背景に打者の手元で球を動かし打たせて取る、頭脳的な投球スタイルを確立した。緒方監督も「今日は(野村)祐輔でしょ」と最大の勝因に挙げ、称えた。

 6月は4戦4勝、防御率1・44で月間MVPの最有力候補と言っていい。それでも「終わってからなので、考えません」と無関心を装う。月間の名誉より、もっと欲しいものがある。25年ぶりリーグ制覇。3年ぶりの2桁勝利に早くも王手をかけた野村が投手陣の先頭に立つ。

 ▼広島・田中(0―1の3回に右越え7号ソロ)粘った結果が本塁打になってよかった。

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2016年6月29日のニュース