大谷、常勝神話だ!リアル二刀流で5戦連続白星 6月防御率0・29

[ 2016年6月27日 05:35 ]

<オ・日>4回2死一、三塁、三走のT―岡田(左)に打球が当たりそうになり声を上げる大谷

パ・リーグ 日本ハム6―0オリックス

(6月26日 京セラD)
 リアル二刀流は無敵だ。日本ハムの大谷翔平投手(21)が26日、オリックス戦でDHを解除し「5番・投手」で出場。7回を3安打無失点に抑え、6連勝で7勝目を挙げた。直球は最速162キロを計測し、毎回の11奪三振。打っても2回にチーム初安打で先制のホームを踏み、投打にわたる活躍を見せた。登板試合は5試合連続のリアル二刀流での出場で5連勝。6月は4戦4勝、防御率0・29で月間MVPの最有力候補となった。

 最後まで狙い通りに仕留めた。5―0の7回2死一塁。大谷は代打・クラークを150キロ台後半の直球で追い込み、最後は内角への135キロのスライダーで空振り三振を奪った。毎回の11奪三振。121球を投げ、エースの役目を果たした。

 「初回から(オリックス打線が)真っすぐをスイングしようとする気持ちを感じた」。最善策は何か。大谷は力勝負にはこだわらず、直球をカウント球に切り替えた。「直球はファウルを取るくらいの気持ちで、追い込んでから変化球でいいと思った」。4回1死一、三塁のピンチでは小島をフォーク、安達をスライダーで連続空振り三振に斬った。6回には圧巻の3者連続三振。直球の最速は162キロを計測したが、変化球で奪った三振は8を数えた。7回無失点。これで計3試合、22イニング連続無失点となった。

 今季3度目のDH解除。口火を切ったのも大谷だった。2回1死。ディクソンからチーム初安打となる三塁強襲打を放つと、自身から3連打で先制のホームを踏んだ。6回には三塁走者として大野のセーフティースクイズで生還。「走塁も含めて流れを呼んでこられるようにしたい。それが自分の投球につながる」。5月29日の楽天戦(コボスタ宮城)で初めてDHを解除して以来、5試合連続で投打同時出場。その全てで勝っている。打撃や走塁面でも試合に関わることが、投球にも好影響を与えているのだ。

 バックネット裏では大リーグ3球団が大谷を視察。その中にレンジャーズのジョシュ・ボイド編成本部長の姿があった=写真。岩手・花巻東3年時の12年秋。同校で面談した相手だった。当時18歳だった大谷は憧れのダルビッシュのサインボールもプレゼントされ、獲得への熱意を伝えられた。ただ、当時は投手としての評価。今季初観戦したボイド氏は「自分で二刀流というチャンスをつかんだ。素晴らしい才能だ」と二刀流に太鼓判を押す。あれから4年。たくましく成長した姿を見せた。

 京セラドームには今季最多の3万6154人の観衆が集まった。敵地でも二刀流を見たい野球ファンは多い。大谷は「満員だったので気合が入った」と振り返り、栗山監督も「翔平が打席に入った時に明らかに拍手が起こった」と話した。6月は4戦4勝で自身2度目の月間MVPも視界に捉えた。「楽しさとか余裕はないけど(投打)トータルで集中できている」と大谷。リアル二刀流は、さらなる力を与えている。(柳原 直之)

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