【大阪】“最後の夏”に魅せるPL魂 梅田主将「伝統を汚さないように」

[ 2016年6月25日 05:30 ]

組み合わせ抽選会後、取材に応じるPL学園の梅田主将

 第98回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の岩手大会、埼玉大会、新潟大会、大阪大会、福岡大会の組み合わせが24日、決まった。激戦区の大阪大会は7月9日に開幕。今夏限りで休部となるPL学園は、11年代表校の東大阪大柏原と初戦の2回戦で対戦する。梅田翔大主将(3年)を中心に部員12人が、全国屈指の名門のプライドをかけて戦う。

 規定で試合には出場できない記録員1人を含めて、12人で挑む特別な夏が始まる。今夏限りで休部となるPL学園。初戦の2回戦の相手は東大阪大柏原に決まった。11年夏の代表校で、昨秋と今春の大阪大会で8強入りした難敵だ。

 目標を問われた梅田主将は「甲子園です。そこしか考えていません。入学当初からの目標」と迷わずに言いきった。相手が強いほど燃える。聖地で何度も逆転劇を演じてきた魂は、現役部員にも受け継がれている。「桑田さんや清原さん、立浪さん…。再放送などを見ると、名場面には必ずPLの選手がいた。先輩方が築いてきた伝統を汚さないようにしたい」と口元を引き締めた。

 13年3月に部内暴力事件が発覚し、翌春から2年連続で新入部員の受け入れを停止。野球経験のない監督が指揮する体制が続き、存続の危機に立っている。奥正直克部長は「こういう事態を招いたのは学校として責任がある。全力でサポートしたい」と話したが、今後も大阪府高野連へ加盟するかどうかは「未定」と話すにとどめた。

 今月17日には名将・中村順司元監督から指導を受けて「自分たちの力で校歌を歌おう」と激励された。「一回でも多く校歌を歌いたい。全力で戦う。少しでも長い夏にしたい」と梅田主将。春夏の甲子園大会で計7度の優勝を誇る名門。「最後の夏」を簡単に終わらせるわけにはいかない。(吉仲 博幸)

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2016年6月25日のニュース