新井V撃で広島7連勝!代打で今季初安打 抜群勝負強さ

[ 2016年6月25日 05:30 ]

<広・神>8回裏2死一、二塁、新井は勝ち越しの適時三塁打を放ち、ガッツポーズ

セ・リーグ 広島4-2阪神

(6月24日 マツダ)
 怒とうの7連勝だ。リーグ戦が再開し、広島は4―2で阪神に競り勝った。殊勲は新井貴浩内野手(39)だ。同点の8回2死一、二塁。代打で登場して藤川から右中間突破の決勝三塁打を放った。9回無死一塁で降雨コールドとなり、3番手のジャクソンが3勝目。チームは今季最多の貯金13とし、2位・巨人とは7ゲーム差。マツダスタジアムでは最多を更新する8連勝となった。

 若手とベテランが日替わりでヒーローになるのだから強いはずだ。降雨の影響で30分遅れてプレーボールが告げられ、9回無死一塁で雨脚が強まったためコールドとなった試合。ずぶ濡れの新井は、7連勝を呼ぶ殊勲打に充実感をにじませた。

 「追い込まれていたので、強振せずコンパクトにいこうと思った。高めが伸びているな…という感覚もあったので」

 2―2の8回2死一、二塁の好機で、石原の代打に指名された。マウンドには元同僚の藤川。1ストライクから高めの143キロ直球を空振りし、ワンバウンドとなった3球目のフォークを見逃した時点でひらめいた。

 「高めの直球は頭にあった。フォークを見て、もう1球来るという予感めいたものがあった」

 何しろ、気心も性格も知り尽くす相手。真ん中高め、見逃せばボール球の145キロ直球を振り抜くと、前進守備を敷く外野陣をあざ笑うかのように、打球は右中間を深々と割った。値千金の2点勝ち越し三塁打。激走の39歳は、三塁ベース上で右拳を握り締めた。

 リーグトップの得点圏打率・365を誇る。ただ、代打では今季「H」ランプを灯せずにいた。「代打でも先発でも、1打席に集中しようと思っている」と言うものの、通算でも打率・209。だが、3戦連続決勝弾を放った鈴木ら若ゴイは、ベテランの勝負強さを刺激した。「若手の気迫が伝わる。自分も刺激を受けるし、頑張らないといけないと感じる」。触発され、今季5度目の起用で初めて応えた。

 「新井だね。ベテランがひと振りで決めてくれた。交流戦明けのゲームで、カードのアタマを取れたのは大きいよ」

 再開リーグ戦を白星発進し、連勝を7に伸ばした緒方監督は殊勲の39歳を称えた。今季の主催試合で入場者が100万人を突破した節目。マツダでの連勝は開場以来最多の8に伸びた。シーズンを41勝29敗2分で折り返した赤ヘル。チーム一丸の快進撃はまだまだ続く。(江尾 卓也)

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2016年6月25日のニュース