和田、雨にも負けず単独トップ9勝 6回まで無安打投球

[ 2016年6月25日 05:30 ]

<楽・ソ>7イニングを投げ3失点で勝ち投手となった和田(右)が工藤監督に祝福される

パ・リーグ ソフトバンク6-3楽天

(6月24日 コボスタ宮城)
 リーグ戦再開も好発進だ!ソフトバンクは24日、楽天戦で和田毅投手(35)が雨中の悪コンディションにも負けず、6回までノーヒットに抑えるなど7回3安打3失点と好投し両リーグ単独トップの9勝目を挙げた。また“恋女房”鶴岡慎也捕手(35)も2回に左前2点適時打を放つなど3安打2打点と活躍。チームは楽天戦7連勝で、貯金を今季最多の28とした。

 足をすくわれた。7回1死一、二塁。島内にスライダーを投げた瞬間だった。ぬかるんだマウンドに滑り、白球は真ん中に抜けた。右翼席まで運ばれる3ラン。完璧すぎた6回までを考えれば、思わぬ結末だった。

 「自分でも気付いてはいたんですけど、足がスリップしてしまった」

 5回終了後に降雨により、10分間中断。マウンドに入れた砂が濡れた土と二層になって滑り、この日、唯一と言えるほどの失投をした。ただ、その雨を味方にもした。「打者も足場が悪い。低めは踏ん張らないと振れない」と低めを意識し、6回まで無安打無失点と思い通りの内容だった。結局7回3失点、今季3度目の2桁10奪三振で9勝目を挙げた。

 注目されたのは1番に座る話題のルーキー・オコエとの対戦だ。島根・浜田の大先輩である楽天の梨田監督から「自慢の直球で攻めて…」と戦前に変化球は投げないようにお願いをされたが、当然、手を抜かない。初回無死ではスライダーで二直に打ち取ると、3回2死一塁では144キロ直球で空振り三振。6回無死でもチェンジアップで泳がせ遊ゴロに仕留めた。「雰囲気はありましたね」と将来の脅威になりうる相手に全球種を使い勝負するなど礼を尽くした。

 6月15日のヤクルト戦(神宮)から交流戦明けもあり、中8日空けてのマウンド。疲労した肉体のリカバリーには十分過ぎる時間だが、和田はそうはしなかった。「今までの経験上、休んで体が軽すぎるのもよくない」と通常、週2回程度の筋力トレーニングを倍の4回にした。「(筋肉に)もう一度、刺激を入れれば8、9月が楽になる」とキャンプに近いメニューを組んだ。見据える先はまだ遠くにある。

 「ストライク先行で投げてくれた」と工藤監督も評価。和田の楽天戦の被本塁打は09年4月24日(ヤフードーム)以来6年ぶりだったが、チームの対楽天は球団新記録の7連勝となり、貯金は最多28。交流戦が終わったばかりだが、もう2桁勝利に王手をかけた左腕は雨にも負けなかった。(福浦 健太郎)

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2016年6月25日のニュース