由伸監督 首位・広島包囲網を提案「他も頑張ってもらわないと」

[ 2016年6月24日 05:35 ]

厳しい表情で練習を見守る高橋監督

 意味深なほほ笑みだった。リーグ戦再開前日。巨人・高橋監督は首位・広島を6ゲーム差で追う2位からの再出発に「特定のチームに勝ったところで優勝するわけじゃない。トータルだから」と前置きし、こう続けた。

 「上にいるわけだから離されないようにしなくちゃいけない。うちだけじゃなくて、他も頑張ってもらわないと」

 セ・リーグで唯一、交流戦で勝ち越した広島が貯金を11まで伸ばし、独走態勢に入った。交流戦勝率5割の借金1で2位の高橋監督が訴えたのは「広島包囲網」の結成。巨人は、古くはV9時代、最近でも07年から14年まで2度にわたってリーグ3連覇を達成している。以前は各球団がエース級をぶつけるなど「包囲網」の標的になってきた常勝球団だけに、共闘の呼び掛けは異例だ。

 今季、セで広島に勝ち越しているのは同じ6勝5敗の巨人、DeNAの2球団のみ。さらに、巨人は前半戦の広島戦が球宴前の7月12日からの2連戦(マツダ)だけでしばらく直接対決がない。村田ヘッドコーチは「ギリギリやろな。これ以上、離されたら終わりちゃうか?」と危機感を口にしたが、直接対決までは他球団の広島戦の勝敗が大きく左右してくる。

 川崎市のジャイアンツ球場での練習後、ナインも「打倒・広島」を前提に、残り16試合の前半戦の目標を掲げた。主将の坂本は「広島戦2勝で13勝3敗」。村田は「広島に2勝込みの最低10勝6敗」とし、阿部は気合の「16勝!」と全勝宣言だ。交流戦後、4日間の調整は終了。高橋監督は「体が休まれば、(気持ちの切り替えも)というところじゃないですか」と心機一転し、広島追走に向かう。(春川 英樹)

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2016年6月24日のニュース