元祖巨人キラー・西村幸生氏“里帰りボール”が殿堂博物館へ

[ 2016年6月16日 14:01 ]

西村投手のボールを寄贈し、野球殿堂博物館・広瀬館長から感謝状を受け取るジョイス津野田幸子さん

 阪神草創期のエースで「元祖巨人キラー」と呼ばれた西村幸生氏の関大時代のサインボール3球が16日、都内の野球殿堂博物館に寄贈された。

 西村氏は関大から球団創設2年目の1937年(昭和12)に入団。37、38年と巨人との年度優勝決定戦を制し連続日本一となる立役者となった。45年に戦死したが、77年に野球殿堂入りを果たした。

 寄贈式には西村氏の長女、ジョイス津野田幸子さん(78)が出席。西村氏が関大野球部主将として36年ハワイ遠征に臨んだ際、現地でサインしたボール3球を寄贈した。このボールは、遠征当時バットボーイを務めていた地元住民の家族が保管していたもので、昨年8月、幸子さんのもとへ届けられた。

 7歳で父と別れた幸子さんは、館内に飾られた父のレリーフの前で「ようやく親孝行ができました。ボールを通して父ちゃんに会うことができてうれしいです」と感激の面持ち。「野球とは人生であり、生きるということ。殿堂入りした人の中には戦死した方も数名いますが、その方々のおかげで今、野球ができるということを忘れないように、と思っています。この里帰りボールを、大勢のファンの方に見てもらいたいです」と語った。野球殿堂博物館の広瀬信一館長は「大変光栄です。貴重なお品の一つとして、これからいろんな方々に見てほしいです」と話した。

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2016年6月16日のニュース