広島以外セ今季初5球団借金 唯一の不安は負傷抹消エルド

[ 2016年6月16日 05:30 ]

<広・西>3回、右太腿裏を痛めて交代するエルドレッド

交流戦 広島6―2西武

(6月15日 マツダ)
 漂う重苦しい空気を力強いスイングで吹き飛ばした。同点の7回2死一、二塁。広島・新井は追い込まれながら武隈の内角への直球を左前へ運んだ。

 これが5月17日のヤクルト戦(マツダ)以来の約1カ月ぶりの決勝打。「2、3打席目にチャンスで(走者を)返せなかった。気合を入れて打席に入った。うまく反応できた」。お立ち台で顔をほころばせた。

 この日、長距離砲のエルドレッドが右太腿裏を痛めて3回で途中交代し、16日に出場選手登録を外れる。中軸を担う“相棒”のために新井は何としても勝ちたかった。「彼はいつでも一生懸命。プレーヤーとして尊敬できる。当たり前ですけど打ったら全力疾走する。心配です。(エルドレッドが抜ける分を)みんなで助け合って、束になってかかっていきたい」。大きな喪失感を覚えながらも一丸の勝利に手応えも感じた。

 頼れる主砲を緒方監督も最敬礼で迎えた。「勝負を決める一打。さすが4番の一打よね。中盤までチャンスがあったけど点がとれないという中でよくやってくれた」と称えた。セ・リーグ4球団に勝ち越していた西武に勝ち越しを決め、確かな地力を示した。交流戦は7勝6敗1分けとし、セ唯一の勝ち越し。新井は「大変うれしい。あと4試合、明日もみんなで頑張りたい」と笑顔を見せた。

 リーグで独り占めの貯金「7」は今季最多タイ。広島以外の5球団はすべて借金生活。セ2位のDeNAとのゲーム差も今季リーグ最大の4として独走態勢だ。 (柳澤 元紀)

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