マエケン「100倍痛い」 また打球直撃も日本投手最多6勝目

[ 2016年6月16日 05:30 ]

<ダイヤモンドバックス・ドジャース>6回、右すねに打球が直撃し、倒れ込む前田健(AP)

ナ・リーグ ドジャース7―4ダイヤモンドバックス

(6月14日 フェニックス)
 ドジャースの前田健太投手(28)は14日(日本時間15日)、ダイヤモンドバックス戦に先発し、5回1/3を6安打3失点で6勝目を挙げた。6回に右すねに打球を受けて負傷降板。打撲の診断で大事には至らず、日本投手では今季最多となる白星をつかんだ。ピート・ローズのメジャー記録の4256安打に日米通算であと1に迫っているマーリンズのイチロー外野手(42)はパドレス戦の9回に代打で出場し、一ゴロに倒れた。

 打球速度は95マイル(約153キロ)だった。前田は右すねに直撃したボールを拾い、本能だけで一塁へ送球。アウトを見届けることなく、崩れ落ち、マウンド付近でのたうち回った。自力で歩けず、トレーナーらに肩を借りてベンチに引き揚げた。

 「凄く痛くて力が入らなくなった。立つのも困難だった。アウトになったのも見ていない」。5月28日のメッツ戦でも右手甲に打球が直撃したが、今回は弁慶の泣きどころである。「あの時より100倍痛い。今まで受けた打球の中で一番痛かった」と振り返り、そのまま負傷降板した。

 5―3の6回、先頭ゴールドシュミットを1ボール2ストライクと追い込んだ。4球目。外角低めに投じた決め球のスライダーは、強烈なライナーで戻ってきた。「三振を狙ったので、守備が遅れた」。日本で5度のゴールデングラブ賞を誇るが、「宝刀」を抜いた直後で反応できなかった。

 試合後に球場内で受けたエックス線検査の結果は骨に異常はなく、ド軍は「右脚打撲」と発表した。デーブ・ロバーツ監督は打球が当たった瞬間を「息が止まったよ」と振り返り、軽傷に胸をなで下ろした。

 投球も苦しんだ。初回に先頭から連打を浴びて失点。3―2の5回は自らの悪送球で同点に追い付かれた。それでも6勝目を挙げ、チームの連敗も3で止まり「こういう形で降板したのに勝ちを付けてもらって、(打線に)感謝したい。負けていたら痛みも引かない」と話した。右手甲に打球が当たったメ軍戦でも白星を挙げただけに「次はお尻とかもっと痛くないところにもう少し弱い打球を当ててもらえれば」と軽口も飛び出した。

 次回登板は翌日の状態を見て判断される。前田は「できれば普通通りに(中4日で)投げたい」と意欲を見せつつ、「日本の時は似たようなところに当たってフォームを崩したりした」と慎重な姿勢も崩さなかった。白星を「良薬」とし、早期回復を目指す。(奥田 秀樹通信員)

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