赤松決めた!史上初コリジョンサヨナラ 広島今季初の3連敗を阻止

[ 2016年6月15日 05:30 ]

<広・西>9回2死一、二塁、サヨナラ適時打を放ち、ナインから逃げまくる赤松(中央)

交流戦 広島3-2西武

(6月14日 マツダ)
 史上初のコリジョンサヨナラ! 広島の赤松真人外野手(33)が14日の西武戦(マツダ)でサヨナラ打を放った。2―2で迎えた9回2死一、二塁、中前へと抜けた打球は好返球により、いったんは本塁タッチアウトの判定が下された。だが約10分間のビデオ判定の結果、本塁上の衝突を禁止したコリジョン・ルールを適用されてセーフに覆った。

 見慣れない光景が無人だったグラウンドに広がった。セーフとアナウンスされてサヨナラ勝利が確定すると、殊勲打を放った赤松が一塁ベンチから真っ先に飛び出した。その後をナインに追いかけられ、ペットボトルに入った水のシャワーを浴びた。

 「はじめてのパターンなので喜ぶタイミングが難しかったですが、最高です。待っている間は、セーフであってくれと祈っていました。アウトのままなら僕が持っていないんだなと…」

 同点の9回2死一、二塁、初球スライダーを中前打した。前進守備を敷いていた西武外野陣だったが、二塁から菊池が快足を飛ばしてくれた。走路をまたいでいた捕手・上本をかわして本塁ベースにタッチしたが、一度はアウトの判定。しかし、約10分間のビデオ判定の後にセーフにくつがえり、マツダスタジアムに笑顔の輪が広がった。

 2―1の9回に守護神・中崎が同点に追いつかれるという厳しい流れをはねのけた。赤松は10年5月15日の日本ハム戦(マツダ)以来、2度目のサヨナラ打。この日は8回先頭で出塁した新井の代走で出場してからの劇打。今季はまだ38試合目の出場ながら、主に代走と守備固めでまだ9打席目。それでも8打数4安打(・500)2打点。「バッティングが良くない選手で、なかなか打席のチャンスをもらえない中で結果を出すことが出来てよかった」

 緒方監督からも最大級の賛辞が送られた。「(セーフの)確信があった。よその試合でも何度も判定が覆っていたからね。足のスペシャリストが仕事をしてくれて本当にうれしい。打席数が少ない中で積極的なところを見せてくれた。守りから打席に入るという流れの中でよくやってくれた」。

 今季3度目のサヨナラ勝ちで、主催試合の西武戦は12年から7連勝となった。負ければ今季初の3連敗となるところだったが、赤松が逆に勢いの加速するような1勝をもたらした。(柳澤 元紀)

 ▼杉永三塁塁審(捕手が走者の)走路上に立って送球を受けたので、コリジョンルールを適用した。菊池選手へのタッチの(アウト、セーフの)判断は関係ない。

 ▽コリジョン(衝突)ルール セ・パのアグリーメント(申し合わせ事項)に本塁での衝突プレーについて記載。守備側は走者の走路をふさいだり、ブロックは禁止。ただし審判員が、守備側が走路をふさがずには守備ができなかったと判断したり、走者との接触が避けられないと判断した場合は違反とはみなされない。リプレー検証は当該試合の責任審判員が必要と判断した場合に限り行う。リプレー検証後の判定について、異議を唱えることは許されない。

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2016年6月15日のニュース